今林動物病院


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精巣腫瘍のマック

先日、大手術のあと無事退院していったゴールデンレトリバーのマックです。
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マックは、9月はじめに他院からの転院という形で来院しました。飼主さんはマックの毛が薄くなり、お腹が膨らんできているのを見て、腹部の腫瘍を心配していましたが、そこでは、その可能性は無いと言い切られたとのことで、疑問を感じた飼主さんがどうにかならないものかと連れてこられました。

診察・検査の結果、マックは片方の睾丸が陰睾(睾丸が腹腔内にとどまった状態)で、その睾丸が腫瘍化して、エストロゲンという女性ホルモンが過剰となり、貧血・脱毛・乳房の女性化がおこっていることが判明しました。
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太もも部分をはじめ、全身が左右対称に脱毛して薄くなっています。睾丸はひとつしか確認できません。
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皮膚もホルモンの影響で薄くなり、乳首はメスのように大きくなっています。

来院当初は立つこともできないくらい衰弱して食欲も無かったのですが、徹底的な内科治療でかなり元気が出たので、9月16日、開腹して腫瘍化した精巣を取り出す手術を行いました。

手術の詳細は、診療アルバムに掲載しています。(手術風景、臓器写真を含みますが苦手でない方はどうぞご覧下さい)

陰睾は臨床現場でもわりとよく目にする症状ですが、実際手術が必要なほど腫瘍化した例は珍しいので、飼主さんの了承を得てご紹介しました。お宅のワンちゃんが陰睾の場合は、100%ではありませんが、こういった症状がでてくるかもしれないことを、頭に入れておいてくださいね。


今回、マックは飼主さんの賢明な判断がなければ助かっていなかったかもしれません。加えて、確定診断ができ、手術までスムーズに体調をいい状態にもっていけたこともラッキーでした。手術自体も電気メスを使用したため、出血も最小限で抑えられ、時間も1時間ちょっとと、短時間で終えることができました。

精巣腫瘍は転移さえなければ、“取れば終わり”の手術です。あとは強運なマックの、順調な回復を祈るばかりです。
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by imabayashi-ah | 2005-09-22 12:33 | 症例