今林動物病院


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怒涛の年末年始 その弐

2日は前日の1日夕方に交通事故にあったと思われる猫のタマちゃんが来院しました。来院時、腰が立たず元気が無いということで、レントゲンを撮ってみると骨盤が折れ、左の股関節が脱臼する重傷を負っていました。更に肺出血、心ショックもあり、今日一日越えられるか難しいということを説明して、ショックに対する緊急治療を行いました。その後続けて来院されていますが、日に日に元気にはなっているもののまだ食欲が無いので予断をゆるさない状況です。

そしてこの日一番の重症患者さんが・・・・

猫のカツちゃん(2才オス)の様子がおかしいとやってきた飼主さん。吐き気と元気の無さが気になったということでした。カツちゃんは、去勢済みで太目の体型・・・これはもしやとお腹を触ってみるとカチカチに固くなった膀胱が手に触れました。尿閉です。去勢済みで太っているオス猫で、市販のドライフードを食べている子で、しかも水を飲む量が減る冬には多く見られる緊急性の高い病気です。放っておくと一日で死んでしまうこともあります。

そうとなったら処置は急がねばなりません。一秒でも早く尿閉状態を解除しなければ、腎臓に尿が逆流し、致命的な腎不全を起こしかねないからです。

にわかに院内が慌しくなり、いったん診療はストップさせ、スタッフ総出で処置にあたりました。
まず、安定剤をかけてお腹から直接針で膀胱を穿刺して、今溜まっている尿を抜きます。おおよそ200ccの尿が抜けましたが、色は真っ赤。血液の色です。腎臓や膀胱に対するダメージが大きいことが予想されます・・・次の処置の準備をしている間に血液検査(腎機能や肝機能を調べることで、予後がはっきりしてきます)を済ませ、安定剤が効き出したところで尿道をカテーテルで洗浄して、詰まっている砂を除去する作業に入りました。

がっ・・・・先端からいきなりカテーテルが入りません・・・砂が先からあふれているような状況です。そこで超音波カテーテルを使って砂を砕きながら通していくことに。先端からかなり奥の尿道まで砂がびっちり詰まっていたので、開通するまでに20分ほどかかりましたが、ようやく通った時にはスタッフから安堵のため息が漏れました。

この子は幸い腎臓にはさほどダメージが及んでいなかったのですが、食欲不振が長期続いていた為、肝リピドーシスを起こしていました。なので膀胱炎・尿道炎、腎臓に対する治療と同時に肝臓に対する治療も行う必要がありました。処置後は順調に回復し、食欲も出て尿もしっかり出ているようなので、あとは食事療法と、肝・腎機能の経過観察をしていくことになりました。

飼主さんは、こんな病気があることすら知らなかったので、はじめは何が何だかわからない様子でしたが、処置の合間合間に説明するにつれて状況を飲み込めてきたようで、自宅での看護もしっかり出来るようになりました。この病気はよくなったからと油断してもとのフードに戻した途端再発することも多いので、普段から猫の状況をよく把握してもらうことと、食事管理が欠かせません。

オスで、去勢済み、しかも太めの猫ちゃんを飼っている方は、尿閉に気をつけてくださいね~!!
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by imabayashi-ah | 2006-01-07 22:55 | 症例