今林動物病院


気まま更新の診療日誌です。

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三が日最終日

そして迎えた3日の朝一番、電話で入った連絡が、ナメクジ駆除剤を盗み食いした犬が泡をふいて様子がおかしいとのこと。

メタアルデヒド中毒です。ナメクジ駆除剤には良く使われる薬品で、神経に作用し、激しい痙攣、流涎、散瞳が特徴です。少ない量でも激烈な症状を示し、薬品中毒の中でも死亡率が高い危険な薬です。しかも悪いことに、ナメクジ駆除剤はどういうわけか犬の好む味につくられているらしく、口にする犬が多いのです・・・

今回の子はまだ若いボーダーコリーのオス、リック。倉庫にあった古い紙容器に入った駆除剤を食い破って食べていました。飼主さんが発見したときにはヨダレを垂らし、異常興奮状態で、飛び跳ねたりもしていたそうです。来院時、プラスチックのサークルに入れられて運び込まれましたが、移動の刺激で痙攣がひどくなり、待合室でバリバリと音を立ててサークルが割れ破壊されるほどの状態でした。

体温を測ると痙攣による高体温で40度近くあります。まずは抗痙攣剤を注射して痙攣の治まった隙を見て活性炭(毒物の吸着剤)を大量に水に溶かして投与し、点滴ラインをつないで補液をスタートしました。強肝解毒剤や、組織破壊を抑えるウリナスタチン等も投与し、吸収を妨げ、解毒を促進する治療を集中的に行います。

午前中いっぱいは細かな痙攣が続き、高体温のあと体温調節が上手くいかず今度は低体温になり保温や強心利尿剤も行われました。診察の合間にも気になり何度も様子を見に行っていると、午後4時過ぎ、突然ムクリと起き上がり、排尿がしたそうな様子・・・。表に出すとふらふらしながらも歩いていって用を足しました。

それからは劇的に回復し、夜には注射時嫌がって攻撃してくるほどにまで回復しました。今回、摂取した時間や量が把握できなかったのですが、すべて腸から吸収される前に吸着剤を投与できたのが幸いしたのか、一日で元の元気なリックに戻りました。前回運び込まれた子は意識が戻るのに3日かかりましたから、私たちもそのつもりでいたので、まさかこんなに早く回復するとは・・・嬉しい誤算でした。

そしてリックは翌4日、ご家族に連れられ元気に帰っていきました。
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         いたずらしたら大変なことになっちゃったよ・・・

3日診療終了間際には、さらに低血糖をおこしたチワワの子犬がもう一頭・・・
この子はジアルジア原虫とコクシジウム原虫という腸炎を起こす2種類の寄生虫を持っていました。前回のチワワの子犬にしろ、低血糖を起こす子は消化吸収に何らかのトラブルを抱えている子に発生が多いようです。ルルちゃんというこの子も駆虫しながら無事快方に向かっています。怖くなるくらい小さくて可愛い子でした。

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そんなこんなでようやく終わった三が日。ホテルで満室だった入院室もがらんとして、嵐が過ぎ去った病院では、今頃大掃除が行われているのでした・・・・
                                    (完)  なんちゃって(^.^)
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by imabayashi-ah | 2006-01-10 23:29 | 症例