今林動物病院


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珍しい子宮疾患

10才のメス犬のコロちゃんです。以前から乳腺腫瘍があり、たまに診察を受けつつ経過をみていたのですが、最近発情のような出血が続き、吐くような動作をみせ、多飲多尿でもあるということで子宮疾患を疑ってエコー検査、レントゲン検査をしてみました。

すると、お腹いっぱいに液体を貯めた子宮が確認できました。コロちゃんは出血くらいで、膿が排泄されない頸管閉鎖型のようです。もし、子宮蓄膿症ならば頸管が閉鎖していると生命に危険が及ぶ状態です。血液検査では感染をしめす白血球はそんなにあがっておらず、肝機能・腎機能ともに問題なかったので、事前に注射による治療を行い即日手術をすることに。

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術後のコロちゃん。

取り出した子宮には、膿ではなく、透明度のある液体が貯留していました。通常、膿性から血性のいわゆるウミを貯めた子宮蓄膿症が多いのですが、この子はホルモン異常により子宮水腫的な病態だと考えられました。

術後の経過は良好で一安心ですが、術前のレントゲンからかなり重度の胃炎も併発していることがわかり、あわせて治療を行っていきます。

中年以降のワンちゃんで、子供を産んだことが無く、2~3ヶ月以内に生理があった子は、子宮疾患予備軍です。初期には症状がほとんど無いことが多いので、生理後は特に気をつけて観察しておく必要がありますね。

参考までに、よく見られる症状を書いておきます。

●陰部から膿や粘液、おりものが排出される
●元気消失、微熱
●食欲不振、嘔吐・下痢
●多飲多尿、腹部拡張(絶対ではありません)

気づかずにいると、多臓器不全をおこし、状態が悪いと手術すら出来ないこともあります。





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パンパンに腫れた子宮を取り出しているところ。いつ破れてもおかしくないくらい、お腹いっぱいに膨れていました。

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取り出した子宮と卵巣。500g近くあったと思います。

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中身はよく臨床上見られる子宮蓄膿症とは異なり、透明感のある液体です。
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by imabayashi-ah | 2006-02-10 00:59 | 症例