今林動物病院


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草むらにご用心!!

ここ最近は夏日を思わせる好天続きで、いつものお散歩コースの草も急成長してきましたね。

そこで問題となるのが、草むらに潜む怖~い敵・・・
一般的なとこから言うと、ノミ、マダニなどの寄生虫。暖かくなると活動が活発になり、今からがシーズンです。

そして、時に蜂やムカデに遭遇することもあるでしょうが・・・、最も怖いのが「マムシ」です。
咬まれたとしても草むらの中なので、蛇の姿を確認できることはほとんどありませんが、キャン!と鳴いてしばらくの間に咬まれたところがみるみる腫れて来ます。初日よりも日を追うごとに酷くなる傾向があります。治療をしないでいると、蛇毒で組織が破壊され、大変なことになってしまいます。咬まれ所が悪いと命に関わることもあります。山に限らず、北九州では割と都市部にも生息しているようなので注意してくださいね!

先日から、マムシが原因と思われる咬傷で来院した子が続いたのでご紹介します。


ビーグルのハイジちゃん。前日にはなかった腫れが急に出現して、驚いた飼い主さんが他院へ連れて行きました。しかし、GW前で「腫瘍の疑いがあるので連休明けに病理検査をしましょう」と帰されてしまったそうです。そうしているうちにも傷はどんどん悪化するばかり・・・ついにはテニスボール大の赤黒いしこりになってしまい、慌てて来院されたのです。

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初診の時のハイジ。患部はどす黒く変色して出血も続いています。痛さのせいか元気もありませんでした。早速組織破壊を防ぎ、マムシ咬傷の治療では何十年も高い実績を出しているセファランチンという植物由来のアルカロイドや、強肝剤、ステロイド、抗生物質を中心とした治療を開始しました。

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治療開始3日目。病変はそれ以上進行することなく、腫れが小さくなっています。

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治療開始から一週間目位。ほぼ腫れは引き、咬まれた穴のみが残りました。
その後医療用ホチキスで傷を止めて、今はキレイに完治しています。

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2例目はラブラドールレトリバーのボギーくん。お父さんと山に散歩にいくのが日課です。
特に鳴き声は聞かなかったそうですが、散歩から帰ると肘より下が反対の足の2倍くらいの太さになっています。足を付くのを痛がり、骨折でもしたんじゃないかと心配して来院されました。

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念のためレントゲンを撮ってみましたが、骨格には異常はありません。しかし、肘の周囲の組織が触ってもしこりがわかるほどひどく腫れています。足の付け根を咬まれたらしく、神経麻痺と血行障害も起こしているようでした。

ボギーくんも上のハイジと同様の治療を行ないました。来院が早かったので翌日にはかなり腫れも引き普通に歩けるようになりました。

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肘のしこりもすっかり取れました。(脱毛しているところは座りダコです)

ホームページや日誌でも何度かご紹介してきたセファランチンですが、マムシや昆虫の咬傷の特効薬です。抗生物質やステロイドだけでは対応できないこれらの咬傷にも、すばらしい効果を発揮します。聞きなれない薬ですし、一般の病院ではほとんど使用されないのでご存知の方も少ないのですが、日本の医薬品のなかでは半世紀以上の歴史がある最も古い薬の一種なのです。セファランチンの当院での使用実績はこちらこちらをどうぞ!

来週はこのセファランチンの臨床応用等研究結果が発表されるアルカロイド研究会が東京で開催されます。今回も院長は新しい情報を取り入れるべく参加する予定です。
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by imabayashi-ah | 2007-06-05 23:47 | 症例