「ほっ」と。キャンペーン

今林動物病院


気まま更新の診療日誌です。

以前の記事

2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
more...

カテゴリ

全体
症例
今日の出来事
CTの活躍
手術
患者さん
医療機器
ネオCキューブの活躍
スタッフのわが子たち
スタッフより
学会だより
お知らせ
トリミング
迷子さん
里親募集
パピーパーティー
未分類

リンク

今林動物ケアクリニックHP

行橋動物ケアクリニックHP
行橋市にある当院の分院です。

記事ランキング

手術に臨む前に・・・

b0059154_23505638.jpg

ゴールデンレトリバーのナナちゃん。とある会社で社員をしています。
6月中旬から元気がなくなり、7月始めに来院し、検査したところ重度の子宮蓄膿症であることが判明。感染の指標となる白血球数は90000台をしめしていました。(正常では7000~12000位)事前に抗生物質治療や強肝剤、組織修復をたすけるセファランチンなどで体調を整え、手術に臨みました。
40kg近い大型犬、そしてかなりの高齢ということで麻酔管理、手術ともに細心の注意を払って行なわれましたが、無事終了。膿を貯めた子宮は2kg近くありましたが、先日経過観察の来院では元気な姿を見せてくれました♪

患者さんからよく聞く話では、子宮蓄膿症と診断されたらほとんどの動物病院では、即日緊急手術が行なわれます。そして、手術の甲斐なく亡くなったということが大変多いのですが・・・・

当院では子宮蓄膿症で手術した子の死亡例はほぼ0%です。私は、手術をして元気になった子しか経験したことがないので、どうして死んじゃうのか・・・?はじめは理解に苦しみました。

子宮蓄膿症は重度の細菌感染症。子宮以外にも腎臓、肝臓、心臓、肺など全身臓器に菌がまわり、飼い主さんが気がついて来院するころには腎不全や心肺機能低下を併発していることも少なくありません。体が弱り、全身に菌がまわった状態で緊急手術を行なえば、子宮は取り除けても麻酔によるトラブルで亡くなったり、術後に多臓器不全に陥り回復できないまま亡くなってしまうのです。

しかし、当院での死亡率が低い鍵は、術前の徹底的な治療にあることを実感しています。

たとえ子宮蓄膿症と診断されても、腎機能、肝機能に異常がある場合はまずしっかりそちらに対する治療を行ないます。心臓・呼吸器に不安な点がある場合も同様です。

数日間徹底的に全身状態をよくする治療を行い、麻酔・手術に耐えれる体力がついて初めて手術に臨むのです。そうすることで、手術のリスクは最小限になり、術後の回復も非常にスムーズになります。

ナナちゃんが回復にむかっている現在も、子宮蓄膿症で術前治療を頑張っているシーズーの子がいます。この子も、他院で即刻手術を勧められました。初診時、皮膚炎が全身酷く、痰がからんで呼吸困難まで起こしていて、そのまま手術していたら間違いなくトラブルが起きていたことでしょう。(皮膚炎があると傷のつきが悪く、呼吸器が悪いと麻酔が非常に危険になります)今は皮膚も随分落ち着き呼吸も改善してきたのでようやく手術の日程のめどが立ってきました。

動物病院で緊急手術を勧められたら・・・獣医さんの言うことだからと鵜呑みにする前に、本当に今必要な手術なのか、飼い主さんはよ~く考えてみてくださいね。疑問を感じればセカンドオピニオンを求めることも大切でしょう。納得できる治療を選択し、最終的に判断するのは、ほかでもない、飼い主さんなのですから。
[PR]
by imabayashi-ah | 2007-07-22 00:44 | 患者さん