今林動物病院


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カテゴリ:CTの活躍( 3 )

CTとスーパーライザーの効果

7月の末に、元気がなく歩き方がおかしいといって、来院したダックスのハナちゃん056.gif

前足の麻痺がひどいうえに、後肢も麻痺を002.gif

椎間板ヘルニアを疑ってCTを撮影することに!


CTを撮影すると・・・

やはり、椎間板ヘルニアが疑われる箇所を発見027.gif

場所は、頚椎と胸椎と腰椎の3ヶ所に002.gif

その中でも、頚椎(首)の状態が一番悪く、もっと悪化するようなら手術をすることに008.gif
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ハナちゃんの頚椎のCT画像です。明らかに、一ヶ所、椎間板逸脱物質がわかります。脊髄の多くを占める部分が椎間板逸脱物質によって圧迫されてしまっているのです008.gif


治療として、お家では安静にしてもらい、しばらくの間は毎日病院に通ってもらい、スーパーライザーと注射を072.gif
注射は、エラスポールという好中球エラスターゼ阻害剤というものと、ビタミンB₁やB₁₂といった神経性ビタミンと脊髄の感染を抑えるための抗生物質を中心としたものを打っています!


すると段々とハナちゃんの前足と後足の動きもよくなっていき、自分でゲージの中をウロウロするまでに037.gif



しかし、良い日もあれば、調子の悪い日もあり008.gif
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飼い主さんは手術を望まれていたので、もし、悪い状態が続くようなら手術をしようと話していました・・・



ここからは少し、当院での椎間板ヘルニアに対する方針の話を・・・

当院では、椎間板ヘルニアに対して3パターンの治療方法をメインで行っております072.gif

①片側椎弓切除術

②PLDD

③温存療法



①は、脊髄の外科の手術のことです。これは、ヘルニアを起こした椎間板物質を取り除くことと、圧力を取る手術です。

②は、椎間板にレーザーを当てることにより、脊髄への圧力を取る方法です。

①、②の手術は、Cアームという、レントゲンの透視をしながら安全に行います006.gif

③は、手術とは別に、レーザーと注射(エラスポールとビタミン剤と抗生物質を併用)と高圧酸素カプセルを使う方法です。
レーザーは、スーパーライザー、炭酸ガスレーザー、半導体レーザーがあります。それを併用して治療していきます♪
(炭酸ガスレーザーや半導体レーザーの効果については、また後日紹介しますね011.gif

驚くことに、CTを撮影して、手術をした方が良いと思われる症例も80%近くの高い確率で改善しています005.gif



ハナちゃんも、手術をした方が良いと思われる症例だったのですが、治療を続けていくうちに、なんと今では歩き方も良く、走ることができるまでに改善!!006.gif

走ったりは本当はダメなんですけどね042.gif


今は、定期的なペースで治療に来ています072.gif


この調子で、手術をしなくてもスーパーライザーと注射で良くなってくれることを期待してます016.gif

これからも、頑張って治療していこうね、ハナちゃん012.gif
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今回は、手術をしなくて良かった例ですが、やはり緊急に手術をしなければならない場合もあります。

ということで、次回は、緊急に椎間板ヘルニアの手術をした例を書きますので、気長に待っていてください040.gif
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by imabayashi-ah | 2010-09-23 14:05 | CTの活躍

CTの活躍その2-椎間板脊椎炎


1月の寒い日のこと。

抱きかかえると痛がるということで病院に来られた、16歳のシーズーとマルチーズのMixのボクちゃん。

実際に病院で歩いてもらうと、いつもと様子が違います。
背中を丸めて痛そうに歩いていました007.gif


そこで、脊椎・脊髄のトラブルを疑い、レントゲンを撮影してみると・・・


変形性脊椎症という病気が疑われる画像が出てきました008.gif

背骨は椎骨という骨がいくつか連なって形成されています。
変形性脊椎症とは、椎骨が変形して神経を圧迫することによって痛みやマヒを引き起こす症状を言います。



レントゲンを撮った後にCTを撮影すると・・・


腰椎に椎間板脊椎炎を起こしていることが判明!!005.gif

椎間板脊椎炎とは骨と椎間板の感染症のことを言います。
それによって、痛みと脊髄に炎症を引き起こします。


 こちらがその画像です ↓ ↓ ↓

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白い骨の一部が黒くなっているのが確認できます。
これはなんと!!骨が溶けているのです!005.gif


レントゲンだけでは変形性脊椎症と診断してしまいがちな症例ですが、CTを撮ることによって骨の横断面をみることができ、椎間板脊椎炎ということがわかりました027.gif


変形性脊椎症の治療として、ステロイドを使ったりする病院が多いのですが、椎間板脊椎炎の治療にはステロイドは絶対に使用してはいけません!!

ステロイドには、その子自身の免疫を下げてしまう作用があります。
つまり、ステロイドを使用することによって、骨と椎間板の感染をより悪化させてしまうのです。

院長はよく 「変形性脊椎症にステロイドを使うと、背骨が溶けて一生痛がりながら死んでしまうんだぞ」と言っています。


CTの撮影後、ボクちゃんは抗生物質とソフトレーザーによる治療でみるみる元気になりました003.gif

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もしあのときCTを撮影せずに、椎間板脊椎炎を変形性脊椎症と診断してしまっていたら・・・008.gif   と思うと恐ろしいですね。
院長がCTを撮影することの大切さを訴えていた意味がよくわかった症例でした。




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by imabayashi-ah | 2010-04-20 16:54 | CTの活躍

CTの活躍 その1 ―椎間板ヘルニア―

新しい病院へ移ってから早半年…。
この病院、以前の病院に比べるとかなりパワーアップしている点がたくさんあるのですが、その中でも院長が一番力を入れていたことがヘリカルCTの導入でした。
当時私は、CTなんてそんなに使う機会がないのでは…?と思っていましたが、当院のCTは週に数回需要があり、診断に大きな力を発揮しております006.gif

CTでいったいどのようなことがわかるのでしょうか?

今回は実際にCT検査をした子の症例をいくつか紹介したいと思います。


◎椎間板ヘルニアの場合

当院に毎週のように来院するこの病気のワンコたち・・・008.gif
特にMダックスがなりやすい病気・・・ということはワンコを飼っている方なら聞いたことがあるかもしれません。
『椎間板ヘルニア』とは、どのような病気なのでしょうか?
私も言葉ばかりはよく耳にするものの、病院に勤めるまでは詳しくは知りませんでした。
ここで少し説明を・・・027.gif

人間も、犬も、脊椎(背骨)の後ろに脊髄と呼ばれる神経が通っています。
この「脊椎(背骨)」はたくさんの「椎骨」という骨が連なってできています。
椎骨と椎骨をつないでいるのが、「椎間板」と呼ばれる軟骨です。
椎骨の間に椎間板があることで、運動時の背骨に与えられるショックが和らげられ、なめらかな動きができるのです。
しかし、過激な運動をしたり、背椎に強い力が加わったり、老化によって骨が弱くなると、椎間板が脊髄を圧迫してしまうことがあります。
これが『椎間板ヘルニア』を起こしている状態です。
脊髄が圧迫されると、痛みを生じたり、神経麻痺を起こして、部位によっては前肢や後肢が麻痺したりします。
  

b0059154_13153031.jpg← 脊椎の簡単なイメージ図です。
ピンクに塗られた部分が脊髄です。
黒く塗りつぶされたA、Bが椎間板です。
Aは正常。
Bは椎間板が脊髄を圧迫しています。これがヘルニアの起こった状態の一例です。





椎間板ヘルニアの診断は、レントゲンは不明瞭で分からない部分も多いのですが、CTでは明確に診断することができます。


★モデル犬の紹介
これからの内容がわかりやすいように、モデル犬を準備しました006.gif
ホネオくんです006.gif

●横より
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脊椎はその部位によって、頚椎、胸椎、腰椎、尾椎と呼ばれます。

●真上より
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はみ出てしまいましたが、腰椎より後ろの方は尾椎と呼ばれます。



そしてCTの画像は、下図のようなピンク、水色、黄緑の方向など、様々な方向の断面図で表示することができます


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★正常と判断された子のCT像

ピンクの方向
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椎骨の間の黒くぬけている部分が脊髄です。

そしてこちらが水色の方向
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矢印で指している白い部分が椎骨。
真ん中の黒くぬけているところが脊髄です。

正常な子は、脊髄のラインがクリアに見えていると思います。



★異常が確認された犬のCT像

1.Mダックス オス 6歳

ピンクの方向
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矢印間の脊髄にモヤモヤ白いものが映っています。

水色の方向
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この子は、第12~13胸椎間にひどい椎間板ヘルニアが確認されました。
遠方より来られていたため、飼い主さんのご希望で、しばらくお預かりして集中的に治療することに・・・。
はじめは後肢が麻痺していて、ほとんど動かない状態で、痛覚がほんの少しある程度でした。
当院独特ののレーザー治療と注射による内科的な治療により、今では自力で立つようになりましたよ!!


2.コーギー メス 8歳

ピンクの方向
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水色の方向
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黄緑の方向
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矢印部に白いモヤモヤがありますね。
この子は第12胸椎、第5~6の腰椎間で椎間板ヘルニアが確認されました。
2月に椎間板ヘルニアの手術をしましたので、詳細はまた別の記事で紹介しますね!




CTを撮ると、椎間板ヘルニアなのかそれとも別の病気なのか、どの部分がどの程度悪いのか、これからどういった治療をしていくべきかを判断するのにとても役立ちます。
そして正確な判断が、適切な治療へとつながるのです027.gif


本当はまだまだたくさん紹介したいのですが、今回はここまで001.gif
次回の“CTの活躍コーナー”は椎間板脊髄炎の症例を紹介します006.gif
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by imabayashi-ah | 2010-03-11 14:01 | CTの活躍