今林動物病院


気まま更新の診療日誌です。

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カテゴリ:症例( 99 )

猫のガリちゃん

 今回の記事には手術中の画像が含まれます。苦手な方はご注意ください。

 
 少し前の話になりますが・・・

 ある日、急に元気がなくなり、下痢をした・・・と来院したのは猫のガリちゃん。

 来院した時には体温が下がり、意識も朦朧としている状態でした。
飼い主さんにはガリちゃんがこんな風になった原因が全く解らないとのこと。
見た目では大きな変化はないようでしたが、お腹を触ってみると・・・下腹部に
変なふくらみが・・・。嫌な予感がしつつレントゲンを撮ってみると・・・

 その予感の通り、ガリちゃんの腹筋は裂けてしまっており、本来腹腔の
中にあるはずの腸が皮下に出てきてしまっていました。お腹のふくらみは
皮下に出てきた腸のふくらみだったのです。
さらに、お腹の皮膚が広範囲にわたって内出血で紫色に・・・。

 そうです、ガリちゃんは交通事故にあっていたのです。

 外に行く猫ちゃんに多いトラブルはやはりケンカと交通事故。ケンカによる傷も
わかりにくいことが多いですが、交通事故にあっても外見では大きな異変が
ないことも多く、飼い主さんが事故にあったことに気づかないこともよくあります。

 ガリちゃんはそのまま入院となり手術をすることに。
 麻酔をかけ、ヘルニア部分の皮膚を切ってみると・・・そこは思っていたよりも
ひどい状態になっていました。

 右後肢の付け根の筋肉が大きく裂け、腹腔内から腸が右後肢に沿うような形で
出てきていました。それだけならまだよかったのですが、どうやらガリちゃんは
事故にあってからしばらく時間が経過していたようで、 裂けた筋肉の周囲から
右後肢にかけての皮下組織は浮腫をおこしてドロドロになっており、組織自体の
色も赤黒く変色して壊死しつつありました。
 さらに、それよりもひどかったのは脱出していた腸の組織がすでに腐っており、
破れた腸から便がお腹の中へ漏れ出してかなりひどい腹膜炎を起こしていたのです・・・。
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写真は腐っていた腸です。本来の腸はきれいなピンク色をしているのですが・・・。

 さすがの院長も「これはもうダメかも・・・」と思うくらいひどい状態でしたが、
このままだとダメになるだけ。もし助からなくてもできるだけのことはやろう。」と
腐った腸を切り取り、まだ大丈夫な部分をつなぎ合わせ、お腹の中を徹底的に
洗浄し、大きく裂けた筋肉を何とか寄せて縫合し・・・と当院では珍しく2時間を
超える大手術になりました。


 なんとか手術を乗り越えたガリちゃん。しかし、元気はなく、ごはんも食べず・・・
やはりこのままダメかも・・・と思いながら数日・・・少しずつ水を飲むようになり、
ごはんを食べるようになり、元気を取り戻し・・・そして、大きな傷の抜糸が
終わるころにはすっかり元の調子を取り戻していました!!
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写真は抜糸前のガリちゃん。大きな傷ですが、経過は良好で、紫色になっていた皮膚はきれいに戻っています。

 一時は本当に命が危ない状態でしたが、何とかそれを乗り越えたガリちゃん。
外に行くときは車に気をつけてね!!
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 当院では「もうダメかも・・・」と思うような状況でもあきらめずに治療をして改善や
回復がみられた症例がいくつもあります。もちろん、全ての症例が上手くいく訳では
ありませんが、今回のガリちゃんは「あきらめないことはとても大事なこと」だと
改めて痛感した症例でした。
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by imabayashi-ah | 2011-06-18 17:09 | 症例

チョコちゃんのおなかに…!

こちら、アメリカンショートヘアーのチョコちゃん。
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3月末に1歳になった男の子です。

いつも元気いっぱい!のチョコちゃんの具合が悪くなったのは、突然のことでした。

前日までは元気だったチョコちゃん。
翌朝もいつも通り食事をとりましたが、そのあとから何度も嘔吐をしだしたのです。

「嘔吐」 と一言にいっても、嘔吐が症状としてあげられる病気はたくさんあります027.gif
(胃腸炎などの消化器系の病気、感染症や伝染病、腎不全、腸閉そく、便秘、中毒、異物の飲み込み・・・などなどたくさん!)
まずは胃腸に対する治療をし、反応をみることになりました。

注射後、嘔吐はいったん止まったかのように見えました。
しかし次の日、食べ物を口にすると数時間後に嘔吐をする…ということが数回ありました。
目つきはうつろで元気もなく、食欲もありません。
この日はお預かりしてレントゲン、内視鏡検査をすることになりました。

内視鏡でお腹の中を見てみると…この写真は胃の中です。
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さらに奥へ進んでいくと…

…ムムッ!!
何か異物らしきものが見えます008.gif
黄色く見えるのが怪しいものです。
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毛玉・・・?
内視鏡のカメラでは確定はできませんが、何か繊維質のものが詰まっていることはわかります。
これをどうにか引っ張り出そうとするものの、毛玉らしきものは、がっちりはまっていてびくともしません!!
できればお腹は開きたくなかったのですが、このままではどうにもできないので、意を決して緊急手術をすることになりました。

お腹を開いてみると、十二指腸にがっちりと硬いものが詰まっていることが確認できました。
取り出してみると・・・!005.gif
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・・・?
何でしょう?これは?

洗ってみると…ぬいぐるみの一部のような…?
フェルトのような生地の中に、綿が詰められたものでした。
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ふだんから同居犬のトイプードルのちびまると一緒に遊んでいるチョコちゃん。
遊んでいる途中で、ぬいぐるみの一部を食べてしまったのでしょうか?
取り出したものを飼い主さんに見せても、まったく心当たりがないとのこと…。
真実はチョコちゃんとちびまるだけが知っています。
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手術後は、数日間絶食を強いられたチョコちゃん。
食事の許可がおりても、いつもの食事の数分の1の量…。
よほどお腹がすいていたのか、食べ物をチラつかせるとソワソワ。
なんと驚くことに、院長の手から直接食べていました!!
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          ↑ ちなみにこれは私の手です

ふつう病院へ来たネコちゃんはおびえてじーっと固まっていたり、ソワソワして落ち着かないものですが、チョコちゃんは診察台の上でフードをポリポリ食べたのです005.gif
しかも院長の手から!!
こんなネコちゃん、見たことない!とみんなびっくりしていました。
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そんなチョコちゃんは、今となってはすっかり元気です006.gif
よかったね~016.gif
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by imabayashi-ah | 2010-04-26 10:04 | 症例

緊急手術!!

※今回の日記には、手術中の画像も載せております。
  苦手な方はご注意ください!



1月13日のこと…

突然、行橋の分院から送られてきたFAX。
あるワンちゃんのカルテが数枚…。
読んでみると、いかにも重症そうな内容が書いてあります。
その後、行橋分院の石田院長より電話がありました。

「脾臓の破裂により、腹腔内に大量出血を起こしていると考えられる犬の緊急手術をしてほしい」
とのことでした。


ことの始まりは12日。
昼過ぎに前日食べたものを嘔吐し、元気がなかったので、飼い主さんが病院へ来院したそうです。
血色が悪く、体温を測ってみると、通常38~39度くらいの体温が36.6度まで低下して、ショックを起こした状態でした。吐く前まではいつも通り元気だったそうなので、吐いたことによる心臓ショックの可能性もお話して、翌日回復してなければ検査をすることをおすすめして、その日はショックの治療を行いました。

そして13日。
前日よりは体温は少し上がりましたが、動きは悪く、元気がありません。
血色も悪くフラフラしていました。
血液検査をしてみると、赤血球数が著しく低下し、ひどい貧血を起こしていることがわかりました。
さらにレントゲン、エコー検査などの精密検査により、左下腹部…脾臓の血管に腫瘍ができていること、そしてその腫瘍が破裂して大量に出血していることがわかったのです。

ということで、行橋から大急ぎで来院されたMダックスのバフィくん。
準備を整え、すぐに緊急手術を開始しました。
下腹部をメスで切ると、お腹の中から大量の血液が溢れ出てきました。
やはり大量出血を起こしています!
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大急ぎで出血していると思われる脾臓を見つけると…表面にはボコボコしたものがありました。
診断通り、脾臓に腫瘍ができていて、そこから出血していたのです。
すぐに脾臓を摘出!

脾臓にはたくさんの大きな血管があり、摘出時にはこの血管の一つ一つを糸で結んで、止血していかなくてはいけません。
とても手間と時間がかかる大手術になります。
ここで大活躍したのが、PKシステム!

当院では2年前より導入し、手術で大活躍しています。
この機械を使うことで、糸を使わずに止血していくことができます。
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今回の手術も、このPKと院長の技術のおかげで、30分で終えることができました。


しかし、手術はなんとか持ちこたえたものの、バフィくんの状況はとても悪く、予後がとても心配されました・・・。
手術が終わった後もすぐに酸素カプセルへ入れ、ICUで気をつけて様子を見ていましたが、なかなか目を覚ましませんでした。

次の日―14日は起こすとなんとか頭をあげるようになりましたが、ずっと寝たままです。

15日には少し尾をふるようになりましたが、ずっと寝ています。
16日あたりから、だんだん食欲がでてきて、起きている時間が長くなっていきました。
19日には、だいぶ元気も出てきて吠えるようになったので、ICUから犬舎へと移されました005.gif
そして20日にめでたく退院することになりました006.gif
といっても、見た目はまあまあ元気ですが貧血の状態はひどいので、引き続き行橋の病院へ通ってもらうことになります。

さらに10日後―
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貧血のサプリメントや、術後の合併症を防ぐ抗生物質治療を行いながら、今日30日、無事抜糸の日を迎えました。貧血の方も、ほぼ正常といえる数値まで改善してくれました。
元気になったバフィくんです。
本当によかったね016.gif


緊急時の行橋分院と若松本院の連携プレー!!
ここ2回の日誌は、たまたまですが行橋の患者さんのお話になりました。
こうやってまたひとつ、救える命があることは素晴らしいことですよね012.gif
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by imabayashi-ah | 2010-01-31 13:18 | 症例

シェパードのジュンちゃん

※今回の日記には、手術中の画像が載せてありますので、苦手な方はご注意ください!!



こちらは、分院である行橋動物ケアクリニックの患者さんの、シェパードのジュンちゃん。
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写真は、すっかり元気になった姿です006.gif


ジュンちゃんが行橋分院を訪れたのは、12月初旬のこと。
な、なんと、10日前にタオルを飲みこんでしまったとのでした005.gif
嘔吐をし、食欲もなくなってきたジュンちゃん。
バリウム検査をすると、やはり胃にタオルが残っているようでした008.gif
異物を食べてしまうワンちゃんはけっこういるのですが、特にタオルやひも状のものを食べてしまうと、とても危険なんです!!
腸が閉塞(つまること)してしまうこともありますが、ひも状のものを食べてしまうと、腸にひもが巻きついて、腸が切れてしまうことがあります。
この場合、ひどい腹膜炎を起こしてしまい、手の施しようがなくなることもあるのです031.gif

ジュンちゃんの食べたタオルは胃に詰まっていたため、胃を切開して、タオルをとりだす手術をすることになりました。
手術は無事成功。
ジュンちゃんの経過も順調!!
…だったのですが、手術7日後あたりから、またもや調子が悪くなってきたのです。
見た感じは元気もそこそこあるのですが、エコー検査をしてみると…

むむっ!!

いやな感じ…。

これは…!!

と思った石田院長は、すぐに本院の今林院長に相談しました。
メールで送られてきたエコー検査の画像を見てみると…どうやらジュンちゃんは腸重績を起こしているようです008.gif
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腸重積とは、その字の通り、腸が重なってしまうことです。
通常、腸は一本の管のようになっていますが(…例えるならばホースのような感じです)、何らかの原因で腸が腸の中に入り込んでしまった状態を腸重積といいます。

腸重積を起こすと、中に入り込んでしまった腸に血行障害などが生じ、壊死してしまうことがあります。
壊死してしまったら、腐った部分の腸を切り取って、つなげ合わせる必要があります。

…とても難しい手術になることが予想されたので、翌朝に若松本院で緊急手術を行うことになりました。



翌朝。
ジュンちゃんを連れ、石田獣医師と飼い主さんが来院しました。
見た目はそこそこ元気で、嘔吐などの症状も見られないジュンちゃん。
もう一度エコーをしても、やはり腸重積を起こしている可能性が高いとの診断。
すぐに今林院長と石田院長の二人で緊急手術が行われました。

お腹を開いてみると…診断通り、腸重積を起こしていました!
腸が腸の中に入り込んでいます031.gif
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院長の指で指している部分が、腸が入り込んでいる部分です。
青い矢印の方向へ、腸が入り込んでいます。

慎重に、慎重に、入り込んだ部分を引いていきます…。
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な、なんと、入り込んだ部分は20cmにも及びました!!

幸い、入り込んでいった腸は血色も良く、壊死していないようでした。
この写真に写っている範囲が、腸の中へ入っていたのです007.gif
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腸を切る必要もなく、無事手術成功!!
飼い主さんも、涙、涙…で喜んでいました。

行橋へ帰って行ったジュンちゃんは、当然のごとく、しばらく入院…。
経過も順調で、無事退院したとのことです!
抜糸も済ませました001.gif


こちら、行橋へ届いた年賀状です。
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入院していた頃に比べたら、太って毛もツヤツヤになったようです006.gif
よかったね、ジュンちゃん!!
くれぐれも、ドッグフード以外は食べないでね038.gif
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by imabayashi-ah | 2010-01-18 15:07 | 症例

フェレットのゴンタくん

※今回の記事には、手術中の写真も掲載しておりますので、苦手な方はご注意ください!!

生後2か月の頃から当院へ通っている、フェレットのゴンタくん、現在6歳。
3月には7歳になります001.gif

そんなゴンタくんに一大事が起こったのは、11月上旬の頃。
な、なんと、おしっこが出なくなってしまったのです008.gif
おしっこが出ない、というのはかなりの一大事!!
おしっこはもともと体にとっていらないもの、有毒なものを出すためのものです。
このまま放っておくと、体中に毒素が回ってしまい、命を落とすこともあります。


院長が細い目を細めて一生懸命見つめるのは、ゴンタくんの下腹部。
おちんちんが出てくる部分の皮膚が、癒着して(くっつき合って)いて、おちんちんを出すことすらできません。
ここをメスで切開。
そして、おちんちんを出そうとすると・・・今度はおちんちんの包皮が癒着していて、おちんちんを出せません。
そこで、ここもメスで切開。
やっとこさおちんちんを出すことができましたが、今度はおちんちんの先の尿が出るところ(尿道口)の皮膚が癒着して、穴が塞がってしまっているのです008.gif
ここもメスで切開。
3か所も癒着していて、メスで切開したゴンタくん!
ゴンタくんの体の中では、大変なことが起こっていたのですね008.gif
こうして、この日は無事におしっこを出せるようになったのですが…また繰り返す可能性が高いぞ、と院長は言っていました…。


次の日、またもやおしっこがでなくなってしまったゴンタくん。
昨日開いたところが、すでに塞がりつつありました007.gif
このまま何度も同じことを繰り返していたら、ゴンタくんにかかる負担はかなり大きいでしょう。
ということで…やむを得ず、人口尿道を作る手術をすることになりました。

下腹部の尿道に当たる部分をメスで切開して、新たな開口部を作る手術。
もともと体の小さいフェレットの手術は、とても細かい作業になります。
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手術は丁寧にかつスピーディーにすすめられました。


こちら手術直後のゴンタくん。
まだ安定剤が効いていて、ぼや~っとしています。
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こちらが今回作られた人口尿道。
紫色に見えるのは吸収糸で、とても細かく縫合してあります。
ゴンタくんのおしっこは、ここから出てくるようになります。
人口尿道の上の方にある部分が、本来おしっこを出していた部分です。



そして、手術から10日後。
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ゴンタくんはとっても元気にしています。
食欲モリモリ、おしっこもジャンジャン出ているそうです006.gif
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院長につかまれ、足を開かされるゴンタくん。
かなりいやそうですね…002.gif
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この通り、人口尿道もバッチリです!006.gif
吸収糸がとけるまで、もう少し!!
それまで、カラーは我慢していてね001.gif
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by imabayashi-ah | 2009-12-09 13:46 | 症例

Mix猫のにぼちゃん

ある日のこと。

「今から、手術をしてほしいのです!」 と突然の電話。
びっくりした私たち005.gif

詳しくお話を聞くと、1か月くらい前から嘔吐することが増えてきて、昨夜から様態が急変したそうです。
元気・食欲もなく、茶色の液体や泡を吐いていて、便をした後に出血をしていたとのこと。
慌てて救急病院へ連れて行ったところ、大腸に大きな腫瘍があって腹膜炎を起こしてることと、すぐに手術をしないといけないかなりの緊急事態、と言われたとのことでした。
とにかく現状がよくわからないので、すぐに来院してもらうことになりました。


11歳の猫、にぼちゃんです。
かなり弱っていて、ぐったりしています。
救急病院で血液検査、エコー検査を受けたようですが、本当に腫瘍があるのかどうか、どのような腫瘍なのか、手術した方がいいのか否かを判断するために、エコー検査とCT検査を行うことになりました。
検査をすると…大腸にはっきりと腫瘍らしきものが確認できました。

大腸がん、もしくは大腸に重症な化膿を起こしており、それによる腹膜炎も起こしている状態です。
緊急手術が必要と言われたものの、あまりにも状態の良くないにぼちゃん…。
手術はかなりの命がけになり、手術をするための安定剤を使った時点で亡くなる危険性もお話しました。
もし手術を乗り切ることができても、体力的にもかなり弱っているため、予後の状態も心配されます。
飼い主さんと時間をかけてよく話し合った結果、あせって今すぐ手術はせずに、対症療法を続けることになりました。
治療をしていき、状態が少し良くなってきたら手術もできるかもしれないし、手術をする必要もなくなるかもしれない…という望みをかけて…。


次の日も来院していただいて、2回目の治療。
にぼちゃんは、元気も食欲もない状態。
お腹が痛くて、食べれる状態ではないのでしょう。

でもここからにぼちゃんの奇跡の快進撃072.gifが始まるのです006.gif

3回目の治療。
この日はなんと、少しですがごはんを食べれるようになりました005.gif

5回目の治療。
かなり元気がでてきたにぼちゃん。
ご飯もばっちり食べれるようになったのです!
でも便はまだ、黒っぽい下痢便がでています。
あまりに元気がでてきたので、エコー検査をしてみると…
あれだけ大きかった腫瘍らしきものが、かなり小さくなっていました!005.gif

まだまだ安心はできないので、しばらくは1日おき…2日おき…週に2回、週に1回ペースで治療に来てもらい、適宜エコー検査を行っていきました。
日に日に小さくなるにぼちゃんの腫瘍!!
そして、日増しににぼちゃんの元気と食欲は出てきました。

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こちら、元気になったにぼちゃん。
げっそりしていた初診の頃とは比べ物にならないほど毛づやも目つきも良くなりました!
カラーをしているのは…注射時に怒るからです(笑)

初診から2カ月がたちますが、今では嘔吐・下痢もせず、元気いっぱい、食欲モリモリ、快便とのこと003.gif!!
よかったねぇ~にぼちゃん001.gif
今も、2週間に1度のペースで治療を続けています。


さてさて、おなかの腫瘍らしきものは結局何だったのでしょうか・・・013.gif
院長に聞いてみると、大腸がんでも、腫瘍でもないとのこと。
腸粘膜が何らかの原因で重症な化膿を起こして、腫瘍のようにひどく盛り上がっていたのだろう…と説明してくれました。


動物病院では、緊急の処置や手術が必要なケースもありますが、今回はあせって手術をせずに対症療法を続けたため、にぼちゃんは命をとりとめることができたのだと思います。
正しく豊富な知識、技術力、的確な判断力…その他もろもろが求められる獣医という職業…。
常日頃感じていることですが、今回のことで改めて「獣医」という職業の難しさと、院長のすごさを感じました。

いつも院長とわーわー言い合っている私ですが、院長を尊敬する気持があるからこそ、この病院で働き続けたいと思うのです001.gif
他の看護師もそう思っていると思いますよ、院長006.gif
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by imabayashi-ah | 2009-12-04 13:31 | 症例

紀州犬のモモちゃん

13歳の紀州犬のモモちゃん。
こちらは手術数日後の元気になった姿です006.gif
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モモちゃんのおっぱいには大きな腫瘍(乳腺腫瘍)があり、手術予定日に病院へ来た頃にはすでに破裂した状態でした。
大きくなった腫瘍の上をガーゼのようなもので覆っていたようですが、自分で噛みついたのか、腫瘍から大量に出血し、意識も朦朧とした状態の中、手術は行われました。

手術直前の様子です。
大きくなった乳腺腫瘍が破裂しています。
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おっぱいのコリコリしたものに飼い主さんが気付いたのは、今年1月頃だったそうです。
ここ最近急激に大きくなったらしく…切除した腫瘍の大きさはソフトボールより大きいものでした。
その重さ1.2kg!!
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こちら手術直後のモモちゃん。
高気圧酸素カプセルに入ってます。
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高齢のため予後も心配されましたが、手術2日後には食欲もあり、退院することができました。
退院してからも、数回来院していただいて治療していますが、食欲もあって経過も順調001.gif
傷口もばっちり006.gif
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…それにしても大きな傷ですね008.gif
残された傷跡が、モモちゃんの腫瘍の大きさを物語っています。
モモちゃんは、25日に抜糸の日を迎えます。


こちら、受付に置いてあるかわいい飾り016.gif
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モモちゃんの飼い主さんから、当院へのプレゼントです012.gif
とてもかわいくて、私たちを和ませてくれます。
大切にさせていただきます045.gif ありがとうございました!!
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by imabayashi-ah | 2009-11-25 10:10 | 症例

モモちゃんのリベンジ!

4月に乳腺腫瘍の手術症例として、この日誌に登場したモモちゃん。
13歳のビーグルです。

半年前に取った右側の腫瘍は400gもの重さの、大きなものでした。
こちらが当時の写真です ↓
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当時左側にも小さなしこりが確認できましたが、高齢で肥満のモモちゃん。
左側もそのうち大きくなってくるだろうと予測はできたものの、呼吸も良くなかったので、このときは右側だけ切除したのです。



あれから半年。

モモちゃんは月に数回来院されていましたが、左側の乳腺腫瘍は見るたびに大きくなっていきました。
8月に入ると、歩くたびにユラユラ揺れるほどの大きさに・・・。
このまま大きくなっていって、腫瘍が破裂したら困るので手術をすることになりました。
暑い夏の日の手術はモモちゃんもきついので、暑さが少し落ち着く秋を待つことになりました。

そして迎えた手術当日。

モモちゃんの腫瘍は今にも破裂しそうなぐぐらいにパンパンです。
呼吸もあまりよくありません。
前回同様、スピーディーさ、そして正確さが求められる手術です。

かなり大きな腫瘍でしたが、40分ほどで手術を終えました。
術後につけるカラーを家に取りに帰って、病院へ戻ってきた飼い主さん。
手術後のモモちゃんと面会でき、大喜び001.gif
 「年もとっているから、今回ばかりはダメかと思っていたのよ~」 と覚悟されていたようです。
そんな飼い主さんの心配をよそに、モモちゃんはいびきをかいてグーグー寝ていました(笑)003.gif
安心した飼い主さん。
今度は取った腫瘍を見てびっくり!!
その重さは900gもあったのです005.gif!!
さぞかし重かったことでしょう。
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術後のモモちゃん。お疲れさん!

こちらは高気圧酸素カプセルに入っている姿。
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術後に酸素カプセルに入ることで、手術後の傷の治癒を早めたり、麻酔からの覚醒を早める効果を期待できます。
このカプセル、手術後やリハビリに…と大活躍です!
 (酸素カプセルの紹介はまた後日させていただきます。)



ももちゃんは次の日もしっかりとごはんを食べ、とても元気に過ごしています。
よかったね016.gif
先日、無事抜糸を済ませました006.gif
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by imabayashi-ah | 2009-10-21 13:32 | 症例

長生きウサギさんの手術

新病院がオープンして、1カ月が過ぎました。

この1カ月間は、いつもに比べてウサギの手術が多かったような気がします039.gif
今回の日誌では、その中でも高齢ウサギの手術の様子を2例紹介します。


開院初日のバタバタの中、急きょ手術が決まったのはこのお方。
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以前、長生きウサギの親子としてこの日誌でご紹介したミミちゃんです。

ウサギの中ではかなり長生きの13歳005.gifです。
半年くらい前からこう丸が大きくなってきたのですが、高齢のため、手術をすべきかどうかを検討していました。
月に数回は来院していただいているため、こう丸の様子はいつも気がけて見ていたのですが・・・
ここ1カ月間であれよあれよと大きくなっていき、通常2~4cmくらいのこう丸が、なんと10cmくらいの大きさになってしまったのです!!
大きくなりすぎたこう丸が邪魔で、うまく身動きが取れなくなってしまったミミちゃん。
元気、食欲もあり、状態も良かったので急きょ手術をすることになりました!

 (残念ながら手術前の写真はありません。
   開院のバタバタで写真をとる余裕などありませんでした…008.gif

手術後、すっきりしたミミちゃんは、動きがかなり軽やかになりました060.gif
あんなに大きなものをぶらさげて・・・さぞかし重たかったでしょう・・・。
その重さはおおよそ200g!!
体重の10%ほどの重さです005.gif
50kgの人で例えたら、5kgもの重さですよ!!

傷口もバッチリ049.gif
先日、抜糸を済ませ元気に過ごしています。





お次はこの方。
こちらもなかなかのご長寿ウサギ。
10歳のミィちゃんです。
ミィちゃんは4歳の頃から当院へ通っているウサギさんです。
だいたい2~3カ月に一度は歯の処置をしています。
今回は、首の後ろあたりにしこりができている、ということで来院されました。

飼い主さんが異変に気付いたのは8月初旬のころ。
肩のあたりにコリコリしたものがあったので、最初は肩が脱臼したのかなぁ?と思っていたそうです。
ところがこのコリコリ、1カ月間であれよあれよと大きくなってきたそうです。
レントゲンを撮ってみたところ、今のところ肺への転移は確認されませんでした。
高齢のため飼い主さんも躊躇されていましたが、これ以上大きくなると取れなくなってしまいますので、思い切って手術をすることになりました。

触った感じは、まるで骨のようにカチカチなこのしこり。
大きさは直径3cmくらいでしょうか。
手術してみると、腫瘍は筋肉まで入り込んで、肩の骨のすぐ近くできていました。

高齢ウサギのミィちゃんは術後の状態も心配されていましたが、とっても元気いっぱいです!!
よかったね006.gifミィちゃん001.gif
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先日無事に抜糸を済ませました029.gif



どちらのウサギさんも手術前後の写真がないため、どこにできたどういった腫瘍を取ったのかを比較できず、わかりにくいですね008.gif
開院当初は、写真を撮る余裕すらなかったのです007.gif
とりあえず…術後の元気そうな様子が伝わると思いますので、かわいいシロウサギさんに免じてお許しください012.gif
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by imabayashi-ah | 2009-09-24 13:57 | 症例

マダニ注意報!!

近年、マダニを介してうつる病気が流行しています008.gif
この機会にマダニのことと、流行っているバベシア症について説明させていただきますね027.gif

マダニと聞いても、初めてワンちゃんを飼う方はピンとこないかもしれません。
私も動物病院で働く前は、マダニがどんな生き物なのかよくわかりませんでした013.gif


●「マダニ」の大きさは?

小さいものなら、大きさは2mmくらいです。
2mmといったら…ゴマぐらいの大きさですね。
とても小さいので、ワンちゃんの体についても、飼い主さんはなかなか気が付けないようです。
こんなに小さなマダニですが、体に寄生して、ひとたび吸血を始めると、あれよあれよと大きくなっていきます。
2mm程度の大きさっだったマダニが、1,5cm~2cmくらいまで大きくなります。
このぐらいの大きさになると、飼い主さんは気づくことが多いようです。
「体に何かイボみたいなものがついている」と病院に来られる方もいます。
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写真は病院にきたワンちゃんについていたマダニです008.gif
大きさ比較のために1円玉を置いています。
こんなに大きくなって…これだけワンちゃんの血を吸っているということですね005.gif恐ろしい!!

足が8本あるので、昆虫ではありません。クモの仲間に近い生き物です。


●どんなところにいるの?

なんとなく山の中にいるようなイメージがあったのですが(←私だけ?!)、そんなことはありません!!
マダニはあなたの近くにひそんでいます!
ふだんのお散歩コースの草むらややぶの中…身近なところにいるのです。


●近年流行しているバベシア症について031.gif

「バベシア」という原虫が赤血球に寄生し、破壊していく病気です。
貧血や発熱、食欲不振や黄疸などを引き起こし、死にも至るとても怖い病気です031.gif031.gif

バベシア原虫をもつマダニが、ワンちゃんに噛みついて吸血する。
このとき、バベシア原虫がマダニの唾液とともに、ワンちゃんの体内に入っていきます。
この時点でバベシアに感染したことになります007.gif

当院でもここ数年、特に今年はとてもたくさんのワンちゃんたちがこの病気の治療をしています。

飼い主さんが気付ける症状は・・・
     食欲、元気がない。
     歯肉が白っぽくなっている。
       (赤血球が破壊されていくので、貧血を起こして、血色が白っぽくなってきます)
     最近おしっこの色が濃い。
ひょっとしたらうちの子も?と思われたら、早めに動物病院へ行かれてください!!


●予防法
バベシア原虫に一度感染してしまうと、治療で元気になっても再発することがあります。
治療しても、バベシア原虫が体内から完全にいなくなることはないのです。
とにかく大事なことは予防をしてあげること!!これにつきます。

1番の予防法は、マダニのいそうな所へ連れて行かないこと!!
山はもちろん、草むらも要注意です!
ワンちゃんたちは草むらが大好きなので、突っ込んでいかないようにしましょう。

そして、必ずマダニの予防をしてあげること。


こちら、ご存知の方も多い “フロントラインプラス”というお薬。
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体に寄生した、ノミ、マダニ、ハジラミ、犬のシラミを駆除することができます。


こちらは “フォートレオン”というお薬。
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このお薬もノミ・マダニの駆除薬ですが、ノミ・マダニが体に寄生する前(吸血する前)に駆除してくれる というすぐれものです!
当院近辺はバベシア症の汚染地区なので、こちらのお薬をみなさんにお勧めしています。



これ以上、この病気の被害者を増やしたくない・・・という思いから、今回の日誌を書かせていただきました。
わんちゃんを病気から守ってあげられるのは、飼い主さんしかいません。
愛する家族のため、よろしくお願いします040.gif
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by imabayashi-ah | 2009-09-17 13:01 | 症例