今林動物病院


気まま更新の診療日誌です。

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カテゴリ:症例( 99 )

どうにもやめられない!?

こちらはネコのももちゃん。
避妊手術も済ましている女の子です。
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そんなももちゃんは、外へ行くのが大好き。
見た目のかわいさとは裏腹に、活発な一面をもっており、
外へ出かけたと思ったら、虫やネズミ、小鳥などお土産に持ってくるそうです・・・008.gif

そして最近困ったことが・・・
ももちゃん、外に出るたびにケンカをしてくるようになりました005.gif


初めて病院に来られたのは、昨年末だったと思います。
そのときは、左後ろ肢を噛まれたのか、びっこを引いていました。
膿がたまって、パンパンに腫れた肢。
傷もジュクジュクしています。
ネコの口の中には、たちの悪い菌がいることが多く、ネコちゃん同士のケンカ傷は想像以上にひどくなることが多いのです。

そして、この傷が治ってしばらく・・・。

4月になったばかりの頃、飼い主さんが「おかしな皮膚病なのかもしれない」と慌ててももちゃんを連れて来ました。
見てみると・・・しっぽのつけ根がブヨブヨして、腫れていました。
ケンカをして、逃げようとしたのか、しっぽを噛まれたのでしょう・・・。
それにしても、あまりにひどい傷。
たまっていた膿が出たあとは、しっぽに2ヶ所穴が開いていました!
しっぽの向こう側が、穴から見えています008.gif
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い、痛い~っっ!!

これ以上穴が広がると、縫合できなくなるので、あずかって縫合処置をすることになりました。


こちら、処置後のももちゃん。
穴が開いていた傷は、きれいに縫合されました。
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それから・・・数回の通院を経て、抜糸も無事終了。
こんなにも痛い目にあって、こんなにもいやな目にあって、かわいそうなももちゃん。
もうケンカしちゃだめだよ006.gif


そして数日後。
「またももちゃんがケンカしましたぁ~」
という悲しげな声が・・・。
またもやももちゃん、ケンカ傷054.gif
飼い主さんの隙を見て、またまた外へ脱走したそうです。
今度は前肢。びっこを引いていました。
病院がイヤでイヤで、今にも逃げ出しそうなももちゃん。
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そんなにいやなら、ケンカしなきゃいいのに・・・。
でも外へ出てしまうのも、ケンカしちゃうのも、どうにもやめられないことなのでしょうね。


当院には、ももちゃんの他にも何度もケンカをしてしまうにゃんこたちがいます。
我々はそういったネコちゃんたちを、親しみをこめて “ケンカ太郎” と呼んでいます003.gif
ももちゃんはケンカ太郎の中でも紅一点。
ケンカ娘です017.gif
ももちゃん、おてんばもほどほどにね!
人のことは言えませんが・・・(苦笑)
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by imabayashi-ah | 2009-05-15 13:26 | 症例

モモちゃんの大勝負。

こちら15歳のビーグルのモモちゃん。
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15歳に見えない若々しさと、まるで人のような大きな瞳がチャームポイントです012.gif

モモちゃんのおっぱいには、一目見て、誰もが気付くほど大きくなった何かがありました。
大きすぎて、パッと見は何だかわかりません。
まるでそう…ソフトボールのような大きさのそれは…なんとびっくり!!
おっぱいにできた腫瘍なんです!005.gif
腫瘍は限界まで大きくなって、破裂寸前!!
モモちゃんが歩くと重そうにユサユサ揺れていました。
飼い主さんは前々から、この腫瘍をとる手術を希望されていたそうです。
でも、モモちゃんはかなりの高齢。
太っていて、呼吸もグーグーいっていて、良くありません008.gif
このため、手術はできないと言われていたそうです。
4件もの病院に断られ、そうこうしているうちに、腫瘍はドンドン大きくなっていき・・・
ぜひ手術をしてほしいということで、当院にこられました。

モモちゃんの体格や年齢、呼吸の悪さを考えると、手術はしない方が良いと思われるかもしれません。
でも、この腫瘍が破裂すると、大量に出血し、ひどい化膿をおこすでしょう。
そうなると、モモちゃんと飼い主さんにかかる負担はかなりのものです。
検査をして健康状態をチェックし、手術に踏み切ることにしました。


いよいよ手術当日。


腫瘍は今にも破裂しそうなくらい、パンパンになっていました。
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モモちゃんの体のことを考えると、手術に時間はかけられません。
慎重かつスピーディーに手術はすすめられました。

数十分後、無事手術は終了。
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こちら、まだ麻酔から完全に覚めていないため、ぼや~っとしたモモちゃん。
グ~グ~いびきをかきながら、夢心地!?
今まで体の一部だった腫瘍との2ショットです!
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取り出した腫瘍の重さは、なんと500g超でした005.gif


飼い主さんがモモちゃんを連れてきて、迎えの車が来るのを待っている間に行われたこの手術。
準備から手術終了までは、1時間もかかっていません。
院長は 「うちの手術は早いやろ~。しかも死なせんからな。」と得意満面でした006.gif
今まで何件もの手術を行ってきましたが、確かにその通りです045.gif
私たちスタッフが、院長を尊敬している理由の一つでもあります006.gif
他にも尊敬しているところは多々あるのですが、あんまり言うと調子に乗るので今日はこれくらいにしておきますね(笑)
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by imabayashi-ah | 2009-04-14 21:33 | 症例

お口のお話2 ー歯周病とその予防についてー

最近よく耳にする 「歯周病」 ということば008.gif
近年、人では、歯周病菌が全身に悪影響を及ぼすことが明らかになっていますが、これは犬猫にもあてはまることなのです007.gif

まず、歯周病とはどのような病気なのでしょうか027.gif
歯周病とは、その名の通り、歯の周りの組織の病気です。
原因は、歯と歯肉の間にたまる歯垢と歯石に繁殖するバイキンくん031.gif
歯垢1mg中には2億ほどのバイキンが存在すると言われております008.gif  ひぃぃ~~。
このバイキンくんが悪さをし、歯肉に炎症を起こして化膿させ、さらには歯槽骨という歯を支える骨までも溶かしてしまいます。
そして、最終的には歯が抜け落ちてしまうという…怖い病気なのです!
こちら、抜けた歯です007.gif
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また、ただの口の病気では済まずに、その悪影響は全身へ及びます。
炎症を起こした歯肉から、バイキンが血管に入り込み、血液によって全身に運ばれ、心疾患、糖尿病、呼吸器系疾患、消化器系疾患、低体重児出産や早産等の原因の一つになることが報告されています027.gif


飼い主さんが動物たちの異変に気付くのは、こんな症状を見つけたときです。
   ・ 口がくさい
   ・ 歯肉が赤く腫れている。
   ・ 歯肉から出血している。また、膿がでている。
   ・ 食べるのに時間がかかる。また、固いものを食べれなくなる。
   ・ ヨダレをたらす(特にネコの場合)

おうちのワンコ、ニャンコは大丈夫ですか013.gif


とにかく、何よりも大事なのが予防すること006.gif
一番の予防法は歯磨きすることです。
でも、多くのワンコ、ニャンコにとって、口を触られるのは嫌なこと・・・。
なるべく小さい頃から、口を触ることに慣れさせてあげることが大切です。
最近病院に届いたこの冊子。
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犬の歯の手入れのしかた、口を触ることへの慣れさせ方を詳しく説明しています。
みなさんにお配りしていますので、ぜひご一読ください027.gif


歯磨きが難しい子には、こちらをお勧めしています。
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当院で大人気のベジタルチュウ。
ワンコたちがおやつ感覚で喜んで食べてくれるし、なおかつ歯磨き効果もあるので、飼い主さんもあげるのが楽しみのようです037.gif
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大好きなベジタルチュウを前に舌を出し、ペロリとさせているのは、吉用家のプラスとのんちゃん011.gif
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さっそくカミカミしているのは、これまた吉用家のキナコ016.gif

噛ませることで歯磨き効果が得られますので、飼い主さんが手に持って、色々なところをカミカミさせることが大切です027.gif

ちなみにこちらはニャンコ用。
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ネコまっしぐら! もう夢中です!
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そしてこのスプレーは、口の中にシュッとひと吹きするだけで、歯が白くなり、歯垢が落ちるというシロモノ。
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はじめて使われる方は、そんなうまい話があるものかと半信半疑。
でもその効果は確かなものです!
少々値は張るものの、一度使われた方は効果を実感してリピーターとなられます。



あれやこれやと紹介してしまいましたが、お家のワンコ、ニャンコに合った予防法がきっとあるはずです。
しっかり予防してあげて、健康維持に努めましょう。
気になる方は、どうぞお気軽にご相談くださいね006.gif
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by imabayashi-ah | 2009-04-09 16:22 | 症例

お口のお話

当院の電話は毎日大忙し!
毎日たくさんのお電話をいただくのですが、結構多いのが、こういったご相談034.gif

 「歯石を取ってほしいのですが・・・」

歯石がガッチリついているワンコ、ニャンコは結構たくさんいます。
でも当院では、飼い主さんにお願いされても、すぐには歯石除去をしません013.gif
まず診察して、歯石の付着状態や、歯肉の状態をチェック!
動物たちの歯石除去には安定剤を用いるため、全身状態もしっかりチェックします027.gif
数回の治療、そして内服薬を続け、お口と体のコンディションを十分に整えてから、歯石除去に踏み切ります。
ひどい歯槽膿漏の状態で歯石をとると、歯肉を傷つけたり、炎症を起こしてひどく化膿させたりするのです031.gif

そんなこんなで、歯石除去に踏み切ったニャンコの写真がこちら。
   <Before>
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     <After>
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写真ではわかりにくいかもしれませんが、歯石がまさに石のようにガッチリついていました005.gif
処置後はピカピカの白い歯に072.gif


こちらはワンコ。奥歯の歯石がかなりガッチリ!
   <Before>
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     <After>
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でも気をつけなければいけないのは、これからです!
歯石除去を行うと、どうしても歯の表面に多少キズがついてしまいます。
きちんとケアをしてあげないと、またまた歯石がついてしまうので要注意!!

何はともあれ、予防をすることが一番です!!
ということで、次回は予防法と、歯周病の怖さについて書いてみたいと思います006.gif
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by imabayashi-ah | 2009-03-28 19:11 | 症例

検便のススメ

最近、当院にはかわいいかわいい子犬の患者さんがぞくぞくと来られています016.gif


そんなかわいいワンコの飼い主さんたちに、私たちが必ず勧めていることは・・・
 “検便” です027.gif
元気そうに見えるワンコやニャンコも、ウンチの中は、おなかの中で悪さをする細菌や寄生虫でいっぱいだったりします008.gif


最近多いのがこれです。

一瞬、惑星のように見えるこの写真。(←私だけですかね・・・?)
これは、ウンチを顕微鏡で見たものです072.gif
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わかりますか?
丸い点々が何個もあります。

顕微鏡の倍率をグッとあげてみると・・・こんな感じです。
むむっ!これは・・・013.gif
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さらに倍率をあげてみると・・・
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まさしく卵!!
高校の生物の教科書で見たことのあるような卵です026.gif


犬の体内に寄生する寄生虫には、肉眼で確認できるような大きさのものから、顕微鏡でなければ確認できないような小さなものがいます。
これはコクシジウムという原虫の卵です。
コクシジウムは、顕微鏡でないと確認できないほど小さな寄生虫です。
小さな小さなコクシジウム。
でもその力は決してあなどれません!!
彼らは、寄生した小腸の粘膜の細胞でどんどん分裂して増えていき、しまいにはその細胞を破壊してしまうという・・・小さいけれどとっても怖い寄生虫なのです031.gif
とくに幼いワンコたちでは、下痢の原因となり、血便や消化不良、貧血、衰弱などの症状がでることもあります007.gif
先日もコクシジウム重度感染で、ひどい血便をおこし、ひどく衰弱しているのワンコが病院に来ていました・・・。


今回紹介したコクシジウムの他にも、体の中で悪さをする寄生虫や細菌はいくつかあります。
とにかく、早めに見つけてあげて、対処してあげることが一番です!!

新しい家族が増えたら、まず検便をしてあげて、目に見えないおなかの環境をチェックしてあげてくださいね029.gif
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by imabayashi-ah | 2009-02-03 21:52 | 症例

ぷーたちゃんの大きな試練

ホーランドロップというウサギのぷーたちゃん。
1歳のころから当院に通っているウサギさんです。


ぷーたちゃんに大きな試練がふりかかったのは、昨年8月のこと。
背中にしこりがある、ということで来院されました。
しこりの当時の大きさは1.5~2cmほど。
年齢も8歳と高齢のため、大きくなるようなら手術を考えることにし、飼い主さんにはしばらく様子を見てもらうことにしました027.gif


それから4ヶ月後の12月末。
ぷーたちゃんのしこりがどんどん大きくなってきているということで、飼い主さんが再び来院されました。
見てみると・・・2cmほどの大きさだったしこりは、確実に大きくなっていました!!
注射による治療を数回行いましたが、大きさの変化はほとんど見られず・・・。
手術のリスクを考えると、飼い主さんはなかなか手術を決断することができませんでしたが、このままでは破裂してしまい、ぷーたちゃんの負担も大きくなることでしょう・・・。
悩みに悩んだ結果、手術をすることになりました。


いよいよ手術当日。
術部の毛を刈ってみると、ぷーたちゃんのしこりがあらわになりました。
その大きさは縦5cm、横7cm、高さ6cmほどです005.gif
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               ↑上から撮ったもの。
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しこりが大きすぎて、重すぎて、周りの皮膚がよっています039.gif

高齢であることと、ウサギさんは麻酔の管理が難しいこともあって、飼い主さんはかなり心配されてましたが・・・
大きなしこりはきれいにとれて、手術は無事終了しました043.gif



この写真は手術後のぷーちゃんを撮ったもの。
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まだ麻酔が覚めきらず、ほけ~っとしています。

こちらは傷口。
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しこりが大きかったため傷も大きく、痛々しいです。
高齢のため術後も心配されましたが、今のところ元気!!
食欲もあって順調です001.gif
よかったねぇ、ぷーちゃん016.gif

あとは無事抜糸を迎えられれば・・・045.gif
傷口、舐めちゃだめだよ028.gifぷーちゃん!!
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by imabayashi-ah | 2009-01-11 20:36 | 症例

ちゃちゃの厄日

かわいい、かわいい、子猫のちゃちゃ016.gif
子猫はとってもかわいいけれど、好奇心旺盛ないたずら小僧でもあります。

先日、飼い主さんがふとちゃちゃを見ると、口からひもらしきものが出ていたようです。
すぐに、糸つきの刺繍針だと気づいた飼い主さんは、慌てて糸を引っ張りました。
しかし、出てきたものは糸だけで、針がついてこなかったようです。
ひょっとしたら、針が体内に残っているかもしれない…ということで来院されました。
早速レントゲンを撮ってみると・・・
出ました!!
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胃内にくっきりと針のシルエットが!!
針穴までばっちり映っています008.gif
朝方ご飯をたくさん食べてきたちゃちゃ。
夕方まで預かって、様子を見て手術で摘出することになりました。

これは、ちゃちゃの胃から出てきた針と糸です。
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なんとまあ、恐ろしい!!
手術後のちゃちゃは、病院の怖さを知ったようですっかり怯えています。
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注射もだまって打たせてくれるお利口さんだったのに、私の顔を見るだけで「シャァ~ッ」というようになりました・・・007.gif



ちゃちゃの一件があってからというもの、当院ではなぜか、異物を飲み込んでしまった子たちが続出・・・008.gif



こちらコッカーのトムくん。
恐ろしいことにカミソリの刃を飲み込んでしまったのです。
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カミソリのサイズが小さかったため、ウンチに混ざって排泄されるだろう・・・ということで、病院で預かり、トムくんの様子を見守ることに。
病院のごはんをあげて、ウンチのなかにカミソリが入ってないかチェックするのは私の役目です006.gif
トム君を預かること3日目のこと、できたてホヤホヤのウンチの中からカミソリを発見!!
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私とトム君はすっかりクサイ仲になってしまいました004.gif
ちゃんとでてきてよかったねぇ006.gif
一安心です。


そしてこの子はMダックスのナナちゃん。
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ナナちゃんは、なんとびっくり!!20cmほどの鮭の頭を食べてしまったのです005.gif
テーブルの上にあった鮭の頭がいつの間にかなくなっていて、かわりにナナちゃんが寝ていたとか(笑)
数日間嘔吐が続きましたが、治療の甲斐あって今となっては元気一杯のようです。
体中から放たれていた鮭の臭いはしばらく続いたようですが・・・(笑)
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                  ↑  反省中・・・。


この日誌を読んで 「うちの子に限って・・・」と思われた飼い主さん!!
我が家には思いがけない危険なものがたくさんあって、ワンちゃん、ネコちゃんは私たちの思いもつかない行動をすることがあるのです008.gif
ぜひ、一度お家の中を点検されることをおススメします027.gif
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by imabayashi-ah | 2008-03-29 19:26 | 症例

Mダックスのレンちゃん

ワンワン!!ワン!ワン!
外から響くその声で、私は誰が来たのかがわかります。
この声は、レンちゃんかな?

「うるさいよ、レン!」
と言う飼い主さんと一緒に現れたのは、Mダックスのレンちゃんです。
病院が怖くてたまらないようで、車を降りてから病院にいる間はいつも吠えています。
病院が怖い、というよりも、院長のことが怖いようですが(笑)。

レンちゃんが当院に来院されたのは、1月上旬のこと。
突然下半身が麻痺した、ということで来られました。
来院当初のレンちゃんは、後肢が完全に麻痺していて、力が全く入らずブラブラの状態でした。
排尿、排泄のコントロールもできずに、粗相をしてしまうことに、飼い主さんも、レンちゃん自身も戸惑っている様子でした。
レンちゃんはどうやら、椎間板ヘルニアになってしまったようです。

ところでみなさん、『椎間板ヘルニア』が、どのような病気なのかご存知ですか?
私も言葉ばかりはよく耳にするものの、病院に勤めるまでは詳しくは知りませんでした。
ここで少し説明を・・・027.gif
人間も、犬も、背椎(脊骨)の後ろに脊髄と呼ばれる神経が通っています。
この「背椎(脊骨)」はたくさんの「椎骨」という骨が連なってできています。
椎骨と椎骨をつないでいるのが、「椎間板」と呼ばれる軟骨です。
椎骨の間に椎間板があることで、運動時の背骨に与えられるショックが和らげられ、なめらかな動きができるのです。
しかし、過激な運動をしたり、背椎に強い力が加わったり、老化によって骨が弱くなると、椎間板が脊髄を圧迫してしまうことがあります。
これが『椎間板ヘルニア』を起こしている状態です。
脊髄が圧迫されると、痛みを生じたり、神経麻痺を起こして、部位によっては前肢や後肢が麻痺したりします。
  
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← 脊椎の簡単なイメージ図です。
ピンクに塗られた部分が脊髄です。
黒く塗りつぶされたA、Bが椎間板です。
Aは正常。
Bは椎間板が脊髄を圧迫しています。これがヘルニアの起こった状態です。



レンちゃんは早速、レーザー治療を開始しました。
このレーザー、当院の椎間板ヘルニア患者の治療に非常に高い実績があるのです。
レーザーを当てられながら、「何すんだよ」と言わんばかりの表情のレンちゃん。
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しかし、連日レーザー治療を続けるものの、レンちゃんの状態はなかなか改善されませんでした。
不安がる飼い主さんに、院長は、福岡動物診断・健診センターでのCT検査をすすめました。

以下が、脊髄に造影剤を注入してCT検査を行った結果です。
これが正常な部位の画像です。
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そして、ここがレンちゃんのヘルニアが起こっている部分の画像です。
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矢印の部分の、椎間板が突出していることがわかります。
突出した椎間板に脊髄が圧迫されているため、ここからは造影剤も通過しなかったとのことです。
CT検査の結果、レンちゃんは胸椎の11~12の間が圧迫されており、これより後ろの神経が麻痺していることがわかりました。
重症のヘルニアが起こっていることが判明したレンちゃん。
「レンはよくなるんでしょうか?」と不安でいっぱいの飼い主さん。
私は「諦めたら終わりですよ。一緒にがんばりましょう!」と言葉をかけることしかできませんでした。


検査から数週間・・・レンちゃんと飼い主さんはヘルニアと闘っています。
最近、連日のレーザー治療と飼い主さんの努力の成果が少しずつ出始めています。
完全麻痺を起していて感覚のなかったレンちゃんの後肢でしたが、足をつねると〝痛み”を感じるようになり、つねられるのを嫌がるようになりました。
そして、ブラブラだった後肢には少し力が入るようになり、ふとした瞬間に自分の力で立てるようになりました。
院長から逃げ出したいあまりに立ち上がるレンちゃん!!すごいぞ!!(部分的に剃られているのは、CT検査のため必要な処置だったようです・・・)
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一時期は垂れ流しのような状態だったおしっこも、外に連れていくと自分でできるようになったとのこと。
すごいね、レンちゃん!!
そして、飼い主さんの努力も並大抵のものではありません!!
やっぱり愛は奇跡を起こすんだな、としみじみ感じる今日この頃。
当院には今日も、飼い主さんの溢れんばかりの愛情に包まれた動物たちが来院しています。



現在、当院で重症の椎間板ヘルニアと闘っている患者さんは、レンちゃんを含め3頭。
この子たちも、飼い主さんの努力と当院での治療の甲斐あって、ゆっくりではありますが良くなってきています029.gif
この2頭のワンコの回復ぶりも今後紹介していきますね006.gif
不慣れな私のゆっくり更新ですが、どうぞお楽しみに016.gif
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by imabayashi-ah | 2008-02-23 19:01 | 症例

猫白血病のゴンタくん

先日はるばる岡山から来院したのはアメリカンショートヘアのゴンタくん。8月に白血病に感染していることが分かり、抗癌剤や輸血などの治療を受けましたが、やはり貧血が進行し、徐々に元気がなくなっているということで猫の白血病に対する免疫療法をホームページで知った飼い主さんからお問い合わせをいただきました。

聞いてみるとすでに輸血を二回、抗癌剤を一回使用しており、これ以上の治療は更に強い抗癌剤しかないと言われたそうです。毎日ステロイドを内服もしていました。

確かに輸血を繰り返し行なうことは勧められず、抗癌剤も使うのならば血液の状態をしっかり把握して慎重に選択する必要があります。

そこで相談の上、遠方ですが頑張って来院していただき診察することになったのです。
幸いご主人の実家が八幡だったのでゴンタくんは数日入院してできるだけ治療に専念できるようにしてもらいました。

まず行なったのが血液検査。通常7000~15000くらいある白血球の数値は5000しかありません。貧血をあらわす数値も正常の3分の1ほど。血色が悪く舌や鼻が真っ白です。
そして白血病の診断の上で重要なのが血液の細胞の種類です。白血球の種類は特に診断のかなめになりますし、赤血球の形態は貧血が改善するものかどうかをよく表します。初診の時点では白血球減少と非再生性貧血が重度の骨髄抑制状態であることが判明しました。貧血が原因で心臓もかなり衰弱しています。

そこで骨髄を刺激して白血球や赤血球を増やすエリスロポイエチンという薬やインターフェロンや丸山ワクチンなどの免疫療法、血液細胞の膜を安定化するセファランチンなど、注射本数にして7本の独自の治療を行なうことに。

血液が増えだすまでの時間を楽にするため、輸血のような免疫反応などの心配の少ない人工血液(オキシグロビン)も使用しました。

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アメリカではイヌで輸血の代替治療として実績がある人工血液です。

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翌日以降、血色もすこし改善し、食欲もでてきたゴンタ君。4日間の入院生活を経て岡山に帰っていきました。継続治療をするのに地元の病院では同じ薬を持っているところはまず無い為、自宅で飼い主さんに注射をしてもらいながら頑張っています。(もちろん当院の指導のもとで)

白血病の発症例ではその予後の悪さから治療を投げ出す飼い主さんもいる中、ゴンタくんの飼い主さんは「家族だから・・・できることは全部してあげたい」と、一生懸命治療に取り組んでくださっています。白血病になったのは残念だけど、こんな家族に守られて幸せ者だね~、ゴンタくん。
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by imabayashi-ah | 2007-11-01 23:21 | 症例

3度目は無しよ!

前回ご紹介したヒモを食べて開腹手術となったココアちゃん。

順調に回復し、元気に退院していきました。ところが・・・

「またヒモを食べたかもしれません。今日吐いた中にヒモが・・・」と飼い主さんに連れられて来院。再度バリウム造影してみるとヒモの影がくっきり・・・

抜糸も済んでいないのに再手術となりました。前回とは違うヒモが数十センチ摘出されました。
飼い主さんも気をつけていたのに起きてしまった誤食。繰り返す子は懲りずに繰り返すのも特徴です。これからはより一層管理に気をつけねばなりません。

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三度目は絶対無しでお願いよ~、ココア!
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by imabayashi-ah | 2007-10-25 22:45 | 症例