今林動物病院


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立て!立つんだピーちゃん!

アヒルのピーちゃんは、ある日突然脚が立たなくなってしまいました。驚いた飼い主さんがピーちゃんを連れて来院しました。

聞いてみると、ピーちゃんは今まで相当な数の卵を産んでおり、最近は産む卵の殻が薄くふにゃふにゃだったり、白身だけが出てきたり、変な兆候が出てきていたようです。

レントゲンを撮ってみると、殻の薄い変形した卵がお腹の中にあります。そして、全身の骨がスカスカになり、足の骨は逆に異常に白く映っています。

長期にわたって卵を産み続けることで、骨からカルシウムが溶け出し、重症の骨粗鬆症・骨軟化症になってしまったのです。ピーちゃんは骨粗鬆症から脊椎が弱くなり、圧迫骨折した結果神経麻痺を起こし、下半身不随(麻痺)を起こしたようです。

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                 ピーちゃんのレントゲン

そこで麻痺には抜群の効果があるレーザー治療と、今まであまり重視されていなかった栄養管理(カルシウムや、ビタミンDなどの補給)をしていくことになりました。幸いこの子は大きいので、神経ビタミンなどの注射もすることが出来ます。

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           レーザーして気持ちよさそうなピーちゃんです。

レーザー直後からさっそく嬉しい変化がありました。冷たく、後ろに伸びきっていた足が温かくなり、すこし力が入るようになったのです。卵つまりの為の炎症止めの注射も合わせて行なったので、翌日には詰まっていた卵も無事出てくれました。

飼い主さんは片道一時間の遠方にもかかわらず、ピーちゃんのためにこまめに通院され、ついに先日ピーちゃんは立ち上がり、ヨチヨチですが歩けるようになりました!

薄くなってしまった骨が完全にもとに戻ることはありませんが、レーザーや栄養療法を続けることでよりよい生活がおくれるといいですね。

それにしても・・・「骨そしょう症」って言い難いですよね・・・!?

私はいつも「骨しょしょうしょう」ってなっちゃいます(笑) これでは何のことやらわかりませんが、口がまめらないので見逃してくださいね。(^_-)-☆
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by imabayashi-ah | 2007-07-26 10:42 | 症例

手術に臨む前に・・・

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ゴールデンレトリバーのナナちゃん。とある会社で社員をしています。
6月中旬から元気がなくなり、7月始めに来院し、検査したところ重度の子宮蓄膿症であることが判明。感染の指標となる白血球数は90000台をしめしていました。(正常では7000~12000位)事前に抗生物質治療や強肝剤、組織修復をたすけるセファランチンなどで体調を整え、手術に臨みました。
40kg近い大型犬、そしてかなりの高齢ということで麻酔管理、手術ともに細心の注意を払って行なわれましたが、無事終了。膿を貯めた子宮は2kg近くありましたが、先日経過観察の来院では元気な姿を見せてくれました♪

患者さんからよく聞く話では、子宮蓄膿症と診断されたらほとんどの動物病院では、即日緊急手術が行なわれます。そして、手術の甲斐なく亡くなったということが大変多いのですが・・・・

当院では子宮蓄膿症で手術した子の死亡例はほぼ0%です。私は、手術をして元気になった子しか経験したことがないので、どうして死んじゃうのか・・・?はじめは理解に苦しみました。

子宮蓄膿症は重度の細菌感染症。子宮以外にも腎臓、肝臓、心臓、肺など全身臓器に菌がまわり、飼い主さんが気がついて来院するころには腎不全や心肺機能低下を併発していることも少なくありません。体が弱り、全身に菌がまわった状態で緊急手術を行なえば、子宮は取り除けても麻酔によるトラブルで亡くなったり、術後に多臓器不全に陥り回復できないまま亡くなってしまうのです。

しかし、当院での死亡率が低い鍵は、術前の徹底的な治療にあることを実感しています。

たとえ子宮蓄膿症と診断されても、腎機能、肝機能に異常がある場合はまずしっかりそちらに対する治療を行ないます。心臓・呼吸器に不安な点がある場合も同様です。

数日間徹底的に全身状態をよくする治療を行い、麻酔・手術に耐えれる体力がついて初めて手術に臨むのです。そうすることで、手術のリスクは最小限になり、術後の回復も非常にスムーズになります。

ナナちゃんが回復にむかっている現在も、子宮蓄膿症で術前治療を頑張っているシーズーの子がいます。この子も、他院で即刻手術を勧められました。初診時、皮膚炎が全身酷く、痰がからんで呼吸困難まで起こしていて、そのまま手術していたら間違いなくトラブルが起きていたことでしょう。(皮膚炎があると傷のつきが悪く、呼吸器が悪いと麻酔が非常に危険になります)今は皮膚も随分落ち着き呼吸も改善してきたのでようやく手術の日程のめどが立ってきました。

動物病院で緊急手術を勧められたら・・・獣医さんの言うことだからと鵜呑みにする前に、本当に今必要な手術なのか、飼い主さんはよ~く考えてみてくださいね。疑問を感じればセカンドオピニオンを求めることも大切でしょう。納得できる治療を選択し、最終的に判断するのは、ほかでもない、飼い主さんなのですから。
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by imabayashi-ah | 2007-07-22 00:44 | 患者さん

糖尿病オンパレード

先週末からの数日間、糖尿病の患者さんが立て続けに訪れました。

一口に糖尿病といっても、原因は様々です。そこで今日はそれぞれの糖尿病の実例を挙げながらご紹介していきます。

●シーズーのナツちゃん 副腎皮質機能亢進症による糖尿病
他院で糖尿病の診断はされていましたが、コントロールができず、元気がなくなり来院した子です。インスリン単独での管理が難しいため、検査をしてみたら副腎皮質機能亢進症であることが判明。副腎機能を抑える薬との併用で維持が可能となりました。体調がよくなり、発情が来たときに再度コントロールが難しくなりましたが、無事避妊手術も済ませて現在は少ない量で維持できるようになりました。

●ボーダーコリーのラブちゃん
この子はインスリンのみでコントロールできていましたが、発情をきっかけにインスリン抵抗性が高まり、高用量を必要とするようになったため、避妊手術をおこないました。ホルモン関与がなくなった今はインスリンのみでコントロールできています。

●パグのモクちゃん
この子は数年前の夏、熱中症になったのがきっかけで多臓器不全をおこし、その後糖尿病を発症しました。かれこれ数年自宅でのインスリン注射を続けています。

●シーズーのパックン
もともと膵外分泌不全という病気をもっており、治療中でしたが多飲多尿が現れ検査したところ糖尿病も発症していた症例です。飼い主さんは毎日消化酵素を飲ませ、インスリンを注射して大忙し!

●シーズーのイブちゃん
肝臓がわるく治療中でしたが、飼い主さんの早めの申し出で早期に糖尿病を発見し、治療できた症例です。もともと肝臓だけでもかなりの異常値なので、発見が遅れていたら致命的だったかもしれません。何度も危機的状況に陥りましたが、今はそこそこ体調よく暮らしています。

ココまではワンコ。お次はニャンコです。

●ミックスのチロちゃん
おしっこをよくするということで来院。調べてみると重度の糖尿病でした。
7月に入り、飼い主さんは自宅での注射ができるようになりました。

●ミックスのゴードン

しばらく前に、皮膚の湿疹の治療で強力なステロイドとホルモン剤を使用され、医原性の原因で糖尿病を発症してしまいました。(当院では数十年前からその危険性のため使用を止めているお薬です)幸いインスリンには反応が良く、みるみる元気が出てきたので、現在は自宅でのインスリン注射をしながら微調整している段階です。


糖尿病は、放置すれば死にいたる怖い病気です。中には糖尿病と聞いただけで治療を諦めてしまったり、安楽死を希望される方もいますが、きちんと原因をつきとめ、コントロールできれば、寿命まで元気に過ごすことも出来るのです。

今日ご紹介した子達は、愛情深い飼い主さんに恵まれ、幸せな子達です。
まさに飼い主さんとの二人三脚(あっ・・・二人五脚ですね♪)で、これからも元気に頑張ってもらいたいものです。
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by imabayashi-ah | 2007-07-09 00:19 | 症例