気まま更新の診療日誌です。
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シェパードのジュンちゃん
※今回の日記には、手術中の画像が載せてありますので、苦手な方はご注意ください!!
こちらは、分院である行橋動物ケアクリニックの患者さんの、シェパードのジュンちゃん。

写真は、すっかり元気になった姿です
ジュンちゃんが行橋分院を訪れたのは、12月初旬のこと。
な、なんと、10日前にタオルを飲みこんでしまったとのでした
嘔吐をし、食欲もなくなってきたジュンちゃん。
バリウム検査をすると、やはり胃にタオルが残っているようでした
異物を食べてしまうワンちゃんはけっこういるのですが、特にタオルやひも状のものを食べてしまうと、とても危険なんです!!
腸が閉塞(つまること)してしまうこともありますが、ひも状のものを食べてしまうと、腸にひもが巻きついて、腸が切れてしまうことがあります。
この場合、ひどい腹膜炎を起こしてしまい、手の施しようがなくなることもあるのです
ジュンちゃんの食べたタオルは胃に詰まっていたため、胃を切開して、タオルをとりだす手術をすることになりました。
手術は無事成功。
ジュンちゃんの経過も順調!!
…だったのですが、手術7日後あたりから、またもや調子が悪くなってきたのです。
見た感じは元気もそこそこあるのですが、エコー検査をしてみると…
むむっ!!
いやな感じ…。
これは…!!
と思った石田院長は、すぐに本院の今林院長に相談しました。
メールで送られてきたエコー検査の画像を見てみると…どうやらジュンちゃんは腸重績を起こしているようです


腸重積とは、その字の通り、腸が重なってしまうことです。
通常、腸は一本の管のようになっていますが(…例えるならばホースのような感じです)、何らかの原因で腸が腸の中に入り込んでしまった状態を腸重積といいます。
腸重積を起こすと、中に入り込んでしまった腸に血行障害などが生じ、壊死してしまうことがあります。
壊死してしまったら、腐った部分の腸を切り取って、つなげ合わせる必要があります。
…とても難しい手術になることが予想されたので、翌朝に若松本院で緊急手術を行うことになりました。
翌朝。
ジュンちゃんを連れ、石田獣医師と飼い主さんが来院しました。
見た目はそこそこ元気で、嘔吐などの症状も見られないジュンちゃん。
もう一度エコーをしても、やはり腸重積を起こしている可能性が高いとの診断。
すぐに今林院長と石田院長の二人で緊急手術が行われました。
お腹を開いてみると…診断通り、腸重積を起こしていました!
腸が腸の中に入り込んでいます

院長の指で指している部分が、腸が入り込んでいる部分です。
青い矢印の方向へ、腸が入り込んでいます。
慎重に、慎重に、入り込んだ部分を引いていきます…。

な、なんと、入り込んだ部分は20cmにも及びました!!
幸い、入り込んでいった腸は血色も良く、壊死していないようでした。
この写真に写っている範囲が、腸の中へ入っていたのです

腸を切る必要もなく、無事手術成功!!
飼い主さんも、涙、涙…で喜んでいました。
行橋へ帰って行ったジュンちゃんは、当然のごとく、しばらく入院…。
経過も順調で、無事退院したとのことです!
抜糸も済ませました
こちら、行橋へ届いた年賀状です。

入院していた頃に比べたら、太って毛もツヤツヤになったようです
よかったね、ジュンちゃん!!
くれぐれも、ドッグフード以外は食べないでね
Commented
at 2010-01-18 20:06
Commented
at 2010-01-19 13:25
こちらは、分院である行橋動物ケアクリニックの患者さんの、シェパードのジュンちゃん。

写真は、すっかり元気になった姿です

ジュンちゃんが行橋分院を訪れたのは、12月初旬のこと。
な、なんと、10日前にタオルを飲みこんでしまったとのでした

嘔吐をし、食欲もなくなってきたジュンちゃん。
バリウム検査をすると、やはり胃にタオルが残っているようでした

異物を食べてしまうワンちゃんはけっこういるのですが、特にタオルやひも状のものを食べてしまうと、とても危険なんです!!
腸が閉塞(つまること)してしまうこともありますが、ひも状のものを食べてしまうと、腸にひもが巻きついて、腸が切れてしまうことがあります。
この場合、ひどい腹膜炎を起こしてしまい、手の施しようがなくなることもあるのです

ジュンちゃんの食べたタオルは胃に詰まっていたため、胃を切開して、タオルをとりだす手術をすることになりました。
手術は無事成功。
ジュンちゃんの経過も順調!!
…だったのですが、手術7日後あたりから、またもや調子が悪くなってきたのです。
見た感じは元気もそこそこあるのですが、エコー検査をしてみると…
むむっ!!
いやな感じ…。
これは…!!
と思った石田院長は、すぐに本院の今林院長に相談しました。
メールで送られてきたエコー検査の画像を見てみると…どうやらジュンちゃんは腸重績を起こしているようです



腸重積とは、その字の通り、腸が重なってしまうことです。
通常、腸は一本の管のようになっていますが(…例えるならばホースのような感じです)、何らかの原因で腸が腸の中に入り込んでしまった状態を腸重積といいます。
腸重積を起こすと、中に入り込んでしまった腸に血行障害などが生じ、壊死してしまうことがあります。
壊死してしまったら、腐った部分の腸を切り取って、つなげ合わせる必要があります。
…とても難しい手術になることが予想されたので、翌朝に若松本院で緊急手術を行うことになりました。
翌朝。
ジュンちゃんを連れ、石田獣医師と飼い主さんが来院しました。
見た目はそこそこ元気で、嘔吐などの症状も見られないジュンちゃん。
もう一度エコーをしても、やはり腸重積を起こしている可能性が高いとの診断。
すぐに今林院長と石田院長の二人で緊急手術が行われました。
お腹を開いてみると…診断通り、腸重積を起こしていました!
腸が腸の中に入り込んでいます


院長の指で指している部分が、腸が入り込んでいる部分です。
青い矢印の方向へ、腸が入り込んでいます。
慎重に、慎重に、入り込んだ部分を引いていきます…。

な、なんと、入り込んだ部分は20cmにも及びました!!
幸い、入り込んでいった腸は血色も良く、壊死していないようでした。
この写真に写っている範囲が、腸の中へ入っていたのです


腸を切る必要もなく、無事手術成功!!
飼い主さんも、涙、涙…で喜んでいました。
行橋へ帰って行ったジュンちゃんは、当然のごとく、しばらく入院…。
経過も順調で、無事退院したとのことです!
抜糸も済ませました

こちら、行橋へ届いた年賀状です。

入院していた頃に比べたら、太って毛もツヤツヤになったようです

よかったね、ジュンちゃん!!
くれぐれも、ドッグフード以外は食べないでね

by imabayashi-ah
| 2010-01-18 15:07
| 症例
|
Comments(2)

ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。

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