気まま更新の診療日誌です。
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緊急手術!!
※今回の日記には、手術中の画像も載せております。
苦手な方はご注意ください!
1月13日のこと…
突然、行橋の分院から送られてきたFAX。
あるワンちゃんのカルテが数枚…。
読んでみると、いかにも重症そうな内容が書いてあります。
その後、行橋分院の石田院長より電話がありました。
「脾臓の破裂により、腹腔内に大量出血を起こしていると考えられる犬の緊急手術をしてほしい」
とのことでした。
ことの始まりは12日。
昼過ぎに前日食べたものを嘔吐し、元気がなかったので、飼い主さんが病院へ来院したそうです。
血色が悪く、体温を測ってみると、通常38~39度くらいの体温が36.6度まで低下して、ショックを起こした状態でした。吐く前まではいつも通り元気だったそうなので、吐いたことによる心臓ショックの可能性もお話して、翌日回復してなければ検査をすることをおすすめして、その日はショックの治療を行いました。
そして13日。
前日よりは体温は少し上がりましたが、動きは悪く、元気がありません。
血色も悪くフラフラしていました。
血液検査をしてみると、赤血球数が著しく低下し、ひどい貧血を起こしていることがわかりました。
さらにレントゲン、エコー検査などの精密検査により、左下腹部…脾臓の血管に腫瘍ができていること、そしてその腫瘍が破裂して大量に出血していることがわかったのです。
ということで、行橋から大急ぎで来院されたMダックスのバフィくん。
準備を整え、すぐに緊急手術を開始しました。
下腹部をメスで切ると、お腹の中から大量の血液が溢れ出てきました。
やはり大量出血を起こしています!
大急ぎで出血していると思われる脾臓を見つけると…表面にはボコボコしたものがありました。
診断通り、脾臓に腫瘍ができていて、そこから出血していたのです。
すぐに脾臓を摘出!
脾臓にはたくさんの大きな血管があり、摘出時にはこの血管の一つ一つを糸で結んで、止血していかなくてはいけません。
とても手間と時間がかかる大手術になります。
ここで大活躍したのが、PKシステム!
当院では2年前より導入し、手術で大活躍しています。
この機械を使うことで、糸を使わずに止血していくことができます。
今回の手術も、このPKと院長の技術のおかげで、30分で終えることができました。
しかし、手術はなんとか持ちこたえたものの、バフィくんの状況はとても悪く、予後がとても心配されました・・・。
手術が終わった後もすぐに酸素カプセルへ入れ、ICUで気をつけて様子を見ていましたが、なかなか目を覚ましませんでした。
次の日―14日は起こすとなんとか頭をあげるようになりましたが、ずっと寝たままです。
15日には少し尾をふるようになりましたが、ずっと寝ています。
16日あたりから、だんだん食欲がでてきて、起きている時間が長くなっていきました。
19日には、だいぶ元気も出てきて吠えるようになったので、ICUから犬舎へと移されました
そして20日にめでたく退院することになりました
といっても、見た目はまあまあ元気ですが貧血の状態はひどいので、引き続き行橋の病院へ通ってもらうことになります。
さらに10日後―
貧血のサプリメントや、術後の合併症を防ぐ抗生物質治療を行いながら、今日30日、無事抜糸の日を迎えました。貧血の方も、ほぼ正常といえる数値まで改善してくれました。
元気になったバフィくんです。
本当によかったね
緊急時の行橋分院と若松本院の連携プレー!!
ここ2回の日誌は、たまたまですが行橋の患者さんのお話になりました。
こうやってまたひとつ、救える命があることは素晴らしいことですよね
苦手な方はご注意ください!
1月13日のこと…
突然、行橋の分院から送られてきたFAX。
あるワンちゃんのカルテが数枚…。
読んでみると、いかにも重症そうな内容が書いてあります。
その後、行橋分院の石田院長より電話がありました。
「脾臓の破裂により、腹腔内に大量出血を起こしていると考えられる犬の緊急手術をしてほしい」
とのことでした。
ことの始まりは12日。
昼過ぎに前日食べたものを嘔吐し、元気がなかったので、飼い主さんが病院へ来院したそうです。
血色が悪く、体温を測ってみると、通常38~39度くらいの体温が36.6度まで低下して、ショックを起こした状態でした。吐く前まではいつも通り元気だったそうなので、吐いたことによる心臓ショックの可能性もお話して、翌日回復してなければ検査をすることをおすすめして、その日はショックの治療を行いました。
そして13日。
前日よりは体温は少し上がりましたが、動きは悪く、元気がありません。
血色も悪くフラフラしていました。
血液検査をしてみると、赤血球数が著しく低下し、ひどい貧血を起こしていることがわかりました。
さらにレントゲン、エコー検査などの精密検査により、左下腹部…脾臓の血管に腫瘍ができていること、そしてその腫瘍が破裂して大量に出血していることがわかったのです。
ということで、行橋から大急ぎで来院されたMダックスのバフィくん。
準備を整え、すぐに緊急手術を開始しました。
下腹部をメスで切ると、お腹の中から大量の血液が溢れ出てきました。
やはり大量出血を起こしています!
大急ぎで出血していると思われる脾臓を見つけると…表面にはボコボコしたものがありました。
診断通り、脾臓に腫瘍ができていて、そこから出血していたのです。
すぐに脾臓を摘出!
脾臓にはたくさんの大きな血管があり、摘出時にはこの血管の一つ一つを糸で結んで、止血していかなくてはいけません。
とても手間と時間がかかる大手術になります。
ここで大活躍したのが、PKシステム!
当院では2年前より導入し、手術で大活躍しています。
この機械を使うことで、糸を使わずに止血していくことができます。
今回の手術も、このPKと院長の技術のおかげで、30分で終えることができました。
しかし、手術はなんとか持ちこたえたものの、バフィくんの状況はとても悪く、予後がとても心配されました・・・。
手術が終わった後もすぐに酸素カプセルへ入れ、ICUで気をつけて様子を見ていましたが、なかなか目を覚ましませんでした。
次の日―14日は起こすとなんとか頭をあげるようになりましたが、ずっと寝たままです。
15日には少し尾をふるようになりましたが、ずっと寝ています。
16日あたりから、だんだん食欲がでてきて、起きている時間が長くなっていきました。
19日には、だいぶ元気も出てきて吠えるようになったので、ICUから犬舎へと移されました
そして20日にめでたく退院することになりました
といっても、見た目はまあまあ元気ですが貧血の状態はひどいので、引き続き行橋の病院へ通ってもらうことになります。
さらに10日後―
貧血のサプリメントや、術後の合併症を防ぐ抗生物質治療を行いながら、今日30日、無事抜糸の日を迎えました。貧血の方も、ほぼ正常といえる数値まで改善してくれました。
元気になったバフィくんです。
本当によかったね
緊急時の行橋分院と若松本院の連携プレー!!
ここ2回の日誌は、たまたまですが行橋の患者さんのお話になりました。
こうやってまたひとつ、救える命があることは素晴らしいことですよね
by imabayashi-ah
| 2010-01-31 13:18
| 症例
|
Comments(4)
Commented
at 2010-01-30 18:33
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
at 2010-01-31 13:24
ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
Commented
by
しゃんく♪
at 2010-02-01 08:07
x
バフィが大変お世話になりました。
おかげ様で命拾いし、今はおうちで毎日楽しそうにしています。
真っ白だったおなかもだいぶピンクになってきました。
このまま行橋でみていただき、いつかお散歩にまた行けるようになる日を楽しみにしています!
おかげ様で命拾いし、今はおうちで毎日楽しそうにしています。
真っ白だったおなかもだいぶピンクになってきました。
このまま行橋でみていただき、いつかお散歩にまた行けるようになる日を楽しみにしています!
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Commented
by
imabayashi-ah at 2010-02-02 13:21
しゃんくさん
バフィくんが元気になってくれて、若松スタッフ一同、とても喜んでおります♪ 本当に良かったです!
バフィくんが元気になってくれて、若松スタッフ一同、とても喜んでおります♪ 本当に良かったです!