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今林動物病院


気まま更新の診療日誌です。

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CTの活躍 その1 ―椎間板ヘルニア―

新しい病院へ移ってから早半年…。
この病院、以前の病院に比べるとかなりパワーアップしている点がたくさんあるのですが、その中でも院長が一番力を入れていたことがヘリカルCTの導入でした。
当時私は、CTなんてそんなに使う機会がないのでは…?と思っていましたが、当院のCTは週に数回需要があり、診断に大きな力を発揮しております006.gif

CTでいったいどのようなことがわかるのでしょうか?

今回は実際にCT検査をした子の症例をいくつか紹介したいと思います。


◎椎間板ヘルニアの場合

当院に毎週のように来院するこの病気のワンコたち・・・008.gif
特にMダックスがなりやすい病気・・・ということはワンコを飼っている方なら聞いたことがあるかもしれません。
『椎間板ヘルニア』とは、どのような病気なのでしょうか?
私も言葉ばかりはよく耳にするものの、病院に勤めるまでは詳しくは知りませんでした。
ここで少し説明を・・・027.gif

人間も、犬も、脊椎(背骨)の後ろに脊髄と呼ばれる神経が通っています。
この「脊椎(背骨)」はたくさんの「椎骨」という骨が連なってできています。
椎骨と椎骨をつないでいるのが、「椎間板」と呼ばれる軟骨です。
椎骨の間に椎間板があることで、運動時の背骨に与えられるショックが和らげられ、なめらかな動きができるのです。
しかし、過激な運動をしたり、背椎に強い力が加わったり、老化によって骨が弱くなると、椎間板が脊髄を圧迫してしまうことがあります。
これが『椎間板ヘルニア』を起こしている状態です。
脊髄が圧迫されると、痛みを生じたり、神経麻痺を起こして、部位によっては前肢や後肢が麻痺したりします。
  

b0059154_13153031.jpg← 脊椎の簡単なイメージ図です。
ピンクに塗られた部分が脊髄です。
黒く塗りつぶされたA、Bが椎間板です。
Aは正常。
Bは椎間板が脊髄を圧迫しています。これがヘルニアの起こった状態の一例です。





椎間板ヘルニアの診断は、レントゲンは不明瞭で分からない部分も多いのですが、CTでは明確に診断することができます。


★モデル犬の紹介
これからの内容がわかりやすいように、モデル犬を準備しました006.gif
ホネオくんです006.gif

●横より
b0059154_13243624.jpg

脊椎はその部位によって、頚椎、胸椎、腰椎、尾椎と呼ばれます。

●真上より
b0059154_13324734.jpg

はみ出てしまいましたが、腰椎より後ろの方は尾椎と呼ばれます。



そしてCTの画像は、下図のようなピンク、水色、黄緑の方向など、様々な方向の断面図で表示することができます


b0059154_13295760.jpg


b0059154_13301239.jpg


b0059154_16425891.jpg





★正常と判断された子のCT像

ピンクの方向
b0059154_16504757.jpg

椎骨の間の黒くぬけている部分が脊髄です。

そしてこちらが水色の方向
b0059154_16521215.jpg

矢印で指している白い部分が椎骨。
真ん中の黒くぬけているところが脊髄です。

正常な子は、脊髄のラインがクリアに見えていると思います。



★異常が確認された犬のCT像

1.Mダックス オス 6歳

ピンクの方向
b0059154_13425222.jpg

矢印間の脊髄にモヤモヤ白いものが映っています。

水色の方向
b0059154_16525711.jpg

この子は、第12~13胸椎間にひどい椎間板ヘルニアが確認されました。
遠方より来られていたため、飼い主さんのご希望で、しばらくお預かりして集中的に治療することに・・・。
はじめは後肢が麻痺していて、ほとんど動かない状態で、痛覚がほんの少しある程度でした。
当院独特ののレーザー治療と注射による内科的な治療により、今では自力で立つようになりましたよ!!


2.コーギー メス 8歳

ピンクの方向
b0059154_13372933.jpg


水色の方向
b0059154_13381176.jpg


黄緑の方向
b0059154_13383011.jpg


矢印部に白いモヤモヤがありますね。
この子は第12胸椎、第5~6の腰椎間で椎間板ヘルニアが確認されました。
2月に椎間板ヘルニアの手術をしましたので、詳細はまた別の記事で紹介しますね!




CTを撮ると、椎間板ヘルニアなのかそれとも別の病気なのか、どの部分がどの程度悪いのか、これからどういった治療をしていくべきかを判断するのにとても役立ちます。
そして正確な判断が、適切な治療へとつながるのです027.gif


本当はまだまだたくさん紹介したいのですが、今回はここまで001.gif
次回の“CTの活躍コーナー”は椎間板脊髄炎の症例を紹介します006.gif
by imabayashi-ah | 2010-03-11 14:01 | CTの活躍