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椎間板ヘルニアによるPLDD療法
前回は、椎間板ヘルニアの手術をしなくてもよかった症例を紹介しましたが、
今回は、手術を行った症例を紹介します
手術をしなくて状態が良くなる方が、飼い主さんにとっても本人にとっても一番負担が少ないと思いますが、やはり、状態によっては手術を行わなければならない場合もあります
前回、椎間板ヘルニアの手術には、2種類の方法があることを述べました
今回のは、その中でもPLDDについて書きます
PLDDとは、椎間板にレーザーを当てることにより、脊髄への圧力を取る方法です。PLDDを行うことによって、痛みやしびれの症状を解消したり、軽減させることができます
今回、その手術を行ったのは、M・ダックスのギンちゃんです
ギンちゃんは、くしゃみをしてから、様子がおかしくなったと来院
診察を行うと、後ろ足に軽い麻痺がみられ、背中を丸めて痛そうに
CT検査を行うと、腰に椎間板ヘルニアが疑われる箇所を発見
人間のぎっくり腰は、くしゃみをしたときに“グキッ”っとなったとよく聞きますが、犬でも同じようなことが起こるんだと驚きました
スーパーライザーと注射(エラスポールと神経性のビタミンと抗生物質)の治療で、日に日に良くなっていき、来院した次の日には、立てるようになり・・・その次の日には、歩けるようになり・・・と順調
このまま、温存療法で様子をみようとしていましたが、飼い主さんの希望で手術をすることに
PLDDの実際の手術の手順です。
①まず、Cアームを使い、きちんと確認をしながら、PLDDを行う椎間板に、針を刺します。
針は、このようになっています.

針は、髄核というところに正確に刺さなければいけません。これを正確に刺さないと、誤って神経を傷つけてしまう恐れがあります
当院ではCアームを使用することにより、安全かつ正確に針を刺すことができます
これは、PLDDの機械である半導体レーザーの本体の写真です。

この、白く大きな機械が、Cアームです。奥の画面に画像が映るようになっています

②針を刺した後は、半導体レーザーのファイバーを針の中に入れていきます。

この赤い光を当てることによって、脊髄の圧を取ります。
手術は、だいたいこのような流れです
傷口は、針を刺したところだけなので全然目立ちません

手術から12日後のギンちゃんです
手術は2泊3日の入院だったのですが、帰ったその日からかなり元気に
この写真でへっぴり腰なのは、院長が怖いからです

温熱療法だけで状態が良くなっていたと思っていたので、PLDDをしてもあまり変化は見られないと思っていました。しかし、PLDDをしたことによって、より元気になった様子
マヒまではいかなくても、痛みが少し残っていて、それがなくなったのだろうと思います
ギンちゃん、元気になってよかったね
~~PLDDまとめ~~
最初にも述べたように、温存療法が、麻酔をかけるリスク等を考えると、一番負担が少ない治療です。
しかし、仕事をしている飼い主さんは、状態が良くなるまでこまめに通院するのは難しい方もいます。
PLDDは、片側椎弓切除術と違い、メスで開いたり、骨を削ったり、傷も縫うこともなく手術ができます。なので、術後は片側椎弓切除術と比べ断然早く退院できますし、傷口に対する治療等は特に必要ありません。人のPLDDの手術は、日帰りで終わるくらいです
今回のギンちゃんのように、PLDDをすることで、こまめに通院する必要がなくなれば、飼い主さんの時間に対する負担は本当に軽減すると思います
しかし、今まで、PLDDの良さを書いてきたつもりなんですが、デメリットも知っておいてもらわなければいけません
一番気をつけておかなければならないのは、PLDDは、片側椎弓切除術と違い物質を取り除いたわけではないことです!
PLDDをしたから、もう治療に来なくて良いというわけではありません。
良くなったからといって、元気に飛び回ったり、走り回ったりしているとまた再発してしまう恐れもあります。もしくは、違う場所に椎間板ヘルニアが起こってしまう可能性もあります
当院としては、今後の予防のためにも定期的な治療を行うことをお勧めします
それともう一つは、ヘルニアの状態によっては、PLDDは不向きで、片側椎弓切除術を行わなければならない場合もありますし、手術をしても状態が改善しない場合もあることです。
温熱療法。
PLDD。
片側椎弓切除術。
病院側としては、その子に合った治療法をお勧めしますが、この選択肢の中からどれを選ぶかは飼い主さんです。
メリットもデメリットも知っておいてもらい、そのうえで判断してください
今回は、手術を行った症例を紹介します

手術をしなくて状態が良くなる方が、飼い主さんにとっても本人にとっても一番負担が少ないと思いますが、やはり、状態によっては手術を行わなければならない場合もあります

前回、椎間板ヘルニアの手術には、2種類の方法があることを述べました

今回のは、その中でもPLDDについて書きます

PLDDとは、椎間板にレーザーを当てることにより、脊髄への圧力を取る方法です。PLDDを行うことによって、痛みやしびれの症状を解消したり、軽減させることができます

今回、その手術を行ったのは、M・ダックスのギンちゃんです

ギンちゃんは、くしゃみをしてから、様子がおかしくなったと来院

診察を行うと、後ろ足に軽い麻痺がみられ、背中を丸めて痛そうに

CT検査を行うと、腰に椎間板ヘルニアが疑われる箇所を発見

人間のぎっくり腰は、くしゃみをしたときに“グキッ”っとなったとよく聞きますが、犬でも同じようなことが起こるんだと驚きました

スーパーライザーと注射(エラスポールと神経性のビタミンと抗生物質)の治療で、日に日に良くなっていき、来院した次の日には、立てるようになり・・・その次の日には、歩けるようになり・・・と順調

このまま、温存療法で様子をみようとしていましたが、飼い主さんの希望で手術をすることに

PLDDの実際の手術の手順です。
①まず、Cアームを使い、きちんと確認をしながら、PLDDを行う椎間板に、針を刺します。
針は、このようになっています.

針は、髄核というところに正確に刺さなければいけません。これを正確に刺さないと、誤って神経を傷つけてしまう恐れがあります

当院ではCアームを使用することにより、安全かつ正確に針を刺すことができます

これは、PLDDの機械である半導体レーザーの本体の写真です。

この、白く大きな機械が、Cアームです。奥の画面に画像が映るようになっています

②針を刺した後は、半導体レーザーのファイバーを針の中に入れていきます。

この赤い光を当てることによって、脊髄の圧を取ります。
手術は、だいたいこのような流れです

傷口は、針を刺したところだけなので全然目立ちません


手術から12日後のギンちゃんです


この写真でへっぴり腰なのは、院長が怖いからです


温熱療法だけで状態が良くなっていたと思っていたので、PLDDをしてもあまり変化は見られないと思っていました。しかし、PLDDをしたことによって、より元気になった様子


ギンちゃん、元気になってよかったね

~~PLDDまとめ~~
最初にも述べたように、温存療法が、麻酔をかけるリスク等を考えると、一番負担が少ない治療です。
しかし、仕事をしている飼い主さんは、状態が良くなるまでこまめに通院するのは難しい方もいます。
PLDDは、片側椎弓切除術と違い、メスで開いたり、骨を削ったり、傷も縫うこともなく手術ができます。なので、術後は片側椎弓切除術と比べ断然早く退院できますし、傷口に対する治療等は特に必要ありません。人のPLDDの手術は、日帰りで終わるくらいです

今回のギンちゃんのように、PLDDをすることで、こまめに通院する必要がなくなれば、飼い主さんの時間に対する負担は本当に軽減すると思います

しかし、今まで、PLDDの良さを書いてきたつもりなんですが、デメリットも知っておいてもらわなければいけません

一番気をつけておかなければならないのは、PLDDは、片側椎弓切除術と違い物質を取り除いたわけではないことです!
PLDDをしたから、もう治療に来なくて良いというわけではありません。
良くなったからといって、元気に飛び回ったり、走り回ったりしているとまた再発してしまう恐れもあります。もしくは、違う場所に椎間板ヘルニアが起こってしまう可能性もあります

当院としては、今後の予防のためにも定期的な治療を行うことをお勧めします

それともう一つは、ヘルニアの状態によっては、PLDDは不向きで、片側椎弓切除術を行わなければならない場合もありますし、手術をしても状態が改善しない場合もあることです。
温熱療法。
PLDD。
片側椎弓切除術。
病院側としては、その子に合った治療法をお勧めしますが、この選択肢の中からどれを選ぶかは飼い主さんです。
メリットもデメリットも知っておいてもらい、そのうえで判断してください

by imabayashi-ah
| 2010-11-19 13:17
| 手術