気まま更新の診療日誌です。
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脾臓の腫瘤
*今回の日記には、手術中の画像も載せております。苦手な方はご注意ください!
12月29日。
今年になって、急に痩せだしたのにお腹は張っていると、来院したM・シュナウザーのウィルちゃん。
まず、レントゲンとエコー検査をしたところ、お腹の中に大きな腫瘤があることがわかりました
その後、腫瘤が単独のものなのか、何かの臓器から発生したのかを判断するため、そして、手術をして取り出すことができるかどうかを判断するためにCT検査を行いました
そのCTの画像です・・・
胸から膀胱まで、お腹の大半が腫瘤によって占められており、内臓は上へと押し上げられていました


上の写真が縦断面の図で、下の写真が横断面の図です。
腫瘤は脾臓の腫瘍で、破裂寸前のため緊急の処置を要するものでした
お腹の腫瘍が取れるか、取れないかの判断は難しく、CT検査を行うことによって、このように大きな腫瘍でも取ることが可能だと診断することができました。
そこで、1月2日のお正月に緊急手術を行うことに決定!
院長本来、正月中は休みの予定だったのですが、手術を行うために出勤してきました。
さすが院長ですね
誰か褒めてあげてください
CT撮影をしていたので、腫瘍の大きさはわかっていたはずなんですが・・・実際に、お腹を開いてみると・・・
デカイ!!!

お腹を開いた途端に、全面に腫瘍が・・・
実際の大きさに驚きつつも、脾臓ごと腫瘍を全て摘出!
腫瘍の大きさは約20㎝で、重さはなんと1.2キロもありました

大手術でしたが、ほとんど出血することもなく、お腹を開いて、脾臓を摘出し、閉じて縫合するまでの手術時間は計43分。無事に終了しました
なぜこのように短時間で手術を終わらせることができたかというと!!
PKシステムという手術器具を使うことによって、止血に要する時間を短くすると同時に、最低限の出血に抑えることができた為なのです。
しかし、医療関係の人でないと、PKシステムと言われても、サッカーのPKを連想すると思います。私も最初はそうでした
PKシステムとは・・・ハサミのような形の器具で血管を挟み、電気を流すことで血管を凝固させて止血を行う機械のことです。
今までは、止血のために血管ごとに糸で結んでいたものが、この機械のおかげで止血の時間が短縮し、手術時間自体も短縮させることができるのです。

この写真に写っている、オレンジ色のはさみのようなものがPKシステムです。
写真を見てもわかるように、臓器には、無数の血管が通っているので、臓器を摘出するにはそのたくさんの血管を止血してからでないとできません。
これを1本1本止めていたら、かなりの時間を要します。そして、手術に時間をかければかけるほど、手術を受けている子に負担がかかってしまいます。
そこで、このPKシステムを使うと、大きな血管以外はPKで凝固することができるので、かなりの時間が短縮できるという訳です
画期的な機械ですね

そして、その緊急手術から2週間後、ウィルちゃんは無事に退院していきました

今は、行橋にある分院の行橋動物ケアクリニックの方に通院しながら治療を行っています
12月29日。
今年になって、急に痩せだしたのにお腹は張っていると、来院したM・シュナウザーのウィルちゃん。
まず、レントゲンとエコー検査をしたところ、お腹の中に大きな腫瘤があることがわかりました

その後、腫瘤が単独のものなのか、何かの臓器から発生したのかを判断するため、そして、手術をして取り出すことができるかどうかを判断するためにCT検査を行いました

そのCTの画像です・・・
胸から膀胱まで、お腹の大半が腫瘤によって占められており、内臓は上へと押し上げられていました



上の写真が縦断面の図で、下の写真が横断面の図です。
腫瘤は脾臓の腫瘍で、破裂寸前のため緊急の処置を要するものでした

お腹の腫瘍が取れるか、取れないかの判断は難しく、CT検査を行うことによって、このように大きな腫瘍でも取ることが可能だと診断することができました。
そこで、1月2日のお正月に緊急手術を行うことに決定!
院長本来、正月中は休みの予定だったのですが、手術を行うために出勤してきました。



CT撮影をしていたので、腫瘍の大きさはわかっていたはずなんですが・・・実際に、お腹を開いてみると・・・
デカイ!!!

お腹を開いた途端に、全面に腫瘍が・・・

実際の大きさに驚きつつも、脾臓ごと腫瘍を全て摘出!
腫瘍の大きさは約20㎝で、重さはなんと1.2キロもありました


大手術でしたが、ほとんど出血することもなく、お腹を開いて、脾臓を摘出し、閉じて縫合するまでの手術時間は計43分。無事に終了しました

なぜこのように短時間で手術を終わらせることができたかというと!!
PKシステムという手術器具を使うことによって、止血に要する時間を短くすると同時に、最低限の出血に抑えることができた為なのです。

しかし、医療関係の人でないと、PKシステムと言われても、サッカーのPKを連想すると思います。私も最初はそうでした

PKシステムとは・・・ハサミのような形の器具で血管を挟み、電気を流すことで血管を凝固させて止血を行う機械のことです。
今までは、止血のために血管ごとに糸で結んでいたものが、この機械のおかげで止血の時間が短縮し、手術時間自体も短縮させることができるのです。


この写真に写っている、オレンジ色のはさみのようなものがPKシステムです。
写真を見てもわかるように、臓器には、無数の血管が通っているので、臓器を摘出するにはそのたくさんの血管を止血してからでないとできません。
これを1本1本止めていたら、かなりの時間を要します。そして、手術に時間をかければかけるほど、手術を受けている子に負担がかかってしまいます。
そこで、このPKシステムを使うと、大きな血管以外はPKで凝固することができるので、かなりの時間が短縮できるという訳です

画期的な機械ですね


そして、その緊急手術から2週間後、ウィルちゃんは無事に退院していきました


今は、行橋にある分院の行橋動物ケアクリニックの方に通院しながら治療を行っています

by imabayashi-ah
| 2011-01-25 18:27
| 手術