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今林動物病院


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小さなお腹に・・・?!

(※この記事には、手術中の写真が出てきますので、苦手な方はご注意ください!!)



ここ数日、急に冷え込んできましたが、
体調など崩されていませんでしょうか??

お久しぶりです、スタッフの原です029.gif

先日院長もびっくりな症例があったのでご報告します!!

1月のある日、
下痢をしているとのことで来院した、ハナカちゃん(♀・チワワ)。
よく見ると陰部からオリモノも出ていました!
水もよく飲んでいるとのこと。
これは・・・とある病気を疑い、さっそくエコー検査と血液検査を行います。

検査の結果、
正常値は6000~17000の白血球が43700もあり、
エコーで確認すると子宮に膿が溜まっていました・・・。

やはり「子宮蓄膿症」です054.gif

子宮蓄膿症とは ↓
発情中に分泌される黄体ホルモンという物質が原因で起こる病気です。
発情を何度も繰り返すことで、この黄体ホルモンが
子宮の内膜を増殖させて膿胞をつくり、
外部からの感染に弱い状態になります。
そこに外陰部などから最近が侵入することで膿が溜まっていきます。
さらに、子宮の菌が全身にまわったり、膿が溜まりすぎると子宮が
破裂することもあり、放っておくと命に関わる怖い病気です。

症状としては↓
陰部から膿が出る・陰部をやたらと舐める・元気や食欲がなくなる・
嘔吐・多飲多尿・下痢等がみられます。


この時、既に少し元気がなくなっていたハナカちゃん・・・。
菌に体が負けてしまっている状態でした008.gif008.gif
この状態で手術をすれば命にも関わる事態になりかねません!
なので、まずは全身に回っている菌を殺す治療を行います034.gif

しかしそれで根本の膿が溜まっている子宮が治る訳ではなく、
やはり手術で摘出しなければなりません!

そのため、その後何度か通院してから手術を決行!

・・・と、ここまではこの症例としては通常の経過なのですが、
ここからが驚きでした!!

なんと2.3㎏のハナカちゃんから出てきた
子宮の重さは138.5g!
つまり50㎏の人から3㎏の子宮が出てきたのとほぼ同じ換算になります042.gif

その時の写真がこちら!

小さなお腹に・・・?!_b0059154_1405810.jpg



そんな大手術を終えたとは思えないほど、
ハナカちゃんの術後は良く、
翌日からはご飯もちゃんと食べてみるみる元気になっていきました023.gif

そして無事退院。
その後何度か通院してもらった後、抜糸も終了016.gif

まだ傷口を舐めないようにカラー着用中ですが、パチリ072.gif
ピンクがよく似合うでしょ060.gif
小さなお腹に・・・?!_b0059154_1465376.jpg



このように子宮蓄膿症の治療は本当に難しく、
エコー検査上で診断がついてもすぐに手術を行うことはできません021.gif
しっかりと体力をつけてからでないと手術で亡くなることもあります007.gif

予防策として、避妊手術を若いうちにしておくのも方法の一つですし、
小さな初期症状を見逃さないことも大切です053.gif

もしもお家のペット達に疑わしい症状があるようであれば、まずは病院へ070.gif
しっかり早めに獣医さんに診てもらってくださいね072.gif072.gif
by imabayashi-ah | 2014-02-07 13:53