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今林動物病院


気まま更新の診療日誌です。

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<   2011年 01月 ( 2 )   > この月の画像一覧

脾臓の腫瘤

*今回の日記には、手術中の画像も載せております。苦手な方はご注意ください!




12月29日。

今年になって、急に痩せだしたのにお腹は張っていると、来院したM・シュナウザーのウィルちゃん。


まず、レントゲンとエコー検査をしたところ、お腹の中に大きな腫瘤があることがわかりました008.gif

その後、腫瘤が単独のものなのか、何かの臓器から発生したのかを判断するため、そして、手術をして取り出すことができるかどうかを判断するためにCT検査を行いました027.gif


そのCTの画像です・・・

胸から膀胱まで、お腹の大半が腫瘤によって占められており、内臓は上へと押し上げられていました008.gif
脾臓の腫瘤_b0059154_15211636.jpg

脾臓の腫瘤_b0059154_15214156.jpg

上の写真が縦断面の図で、下の写真が横断面の図です。

腫瘤は脾臓の腫瘍で、破裂寸前のため緊急の処置を要するものでした002.gif

お腹の腫瘍が取れるか、取れないかの判断は難しく、CT検査を行うことによって、このように大きな腫瘍でも取ることが可能だと診断することができました。



そこで、1月2日のお正月に緊急手術を行うことに決定!

院長本来、正月中は休みの予定だったのですが、手術を行うために出勤してきました。072.gifさすが院長ですね006.gif誰か褒めてあげてください040.gif


CT撮影をしていたので、腫瘍の大きさはわかっていたはずなんですが・・・実際に、お腹を開いてみると・・・

デカイ!!!

脾臓の腫瘤_b0059154_17544324.jpg


お腹を開いた途端に、全面に腫瘍が・・・008.gif

実際の大きさに驚きつつも、脾臓ごと腫瘍を全て摘出!

腫瘍の大きさは約20㎝で、重さはなんと1.2キロもありました008.gif

脾臓の腫瘤_b0059154_13411380.jpg


大手術でしたが、ほとんど出血することもなく、お腹を開いて、脾臓を摘出し、閉じて縫合するまでの手術時間は計43分。無事に終了しました018.gif


なぜこのように短時間で手術を終わらせることができたかというと!!
PKシステムという手術器具を使うことによって、止血に要する時間を短くすると同時に、最低限の出血に抑えることができた為なのです。006.gif
しかし、医療関係の人でないと、PKシステムと言われても、サッカーのPKを連想すると思います。私も最初はそうでした011.gif


PKシステムとは・・・ハサミのような形の器具で血管を挟み、電気を流すことで血管を凝固させて止血を行う機械のことです。
今までは、止血のために血管ごとに糸で結んでいたものが、この機械のおかげで止血の時間が短縮し、手術時間自体も短縮させることができるのです。005.gif

脾臓の腫瘤_b0059154_14373864.jpg

この写真に写っている、オレンジ色のはさみのようなものがPKシステムです。


写真を見てもわかるように、臓器には、無数の血管が通っているので、臓器を摘出するにはそのたくさんの血管を止血してからでないとできません。

これを1本1本止めていたら、かなりの時間を要します。そして、手術に時間をかければかけるほど、手術を受けている子に負担がかかってしまいます。

そこで、このPKシステムを使うと、大きな血管以外はPKで凝固することができるので、かなりの時間が短縮できるという訳です059.gif

画期的な機械ですね038.gif072.gif




そして、その緊急手術から2週間後、ウィルちゃんは無事に退院していきました001.gif

脾臓の腫瘤_b0059154_14394214.jpg


今は、行橋にある分院の行橋動物ケアクリニックの方に通院しながら治療を行っています058.gif
by imabayashi-ah | 2011-01-25 18:27 | 手術

胃捻転

とある日曜日060.gif

大きなラブラドールレトリバーのたいぞう君が来院072.gif


状況を聞いてみると・・・

・ご飯を食べてから調子がおかしい

・吐こうとするが吐けない

・よだれがずっと出ている

・朝よりお腹が腫れてきた気がする


とのこと。これは緊急事態だ!!と判断し、すぐにレントゲンを撮影!


レントゲンの画像を確認すると、胃と腸がパンパンに張っていました008.gif

         胃捻転です022.gif



胃捻転とは、言葉の通り、胃が捻転することによって起こる疾患です。大型犬や胸の深い犬に多くみられる病気ですが、中型犬・小型犬にもまれにみられます。

症状としては、吐こうとしているのに何も吐けず、よだれを大量にたらすようになります。また、元気がなくなってくるとともに次第にお腹がふくれてきて、呼吸が苦しそうになってきます。

治療が遅れると、数時間で死に至ることが多く、緊急を要する疾患です。

即座に、休日中の院長に連絡し、緊急の手術が始まりました002.gif


お腹を開くと、パンパンに張った胃が!!

まずは、針を刺して胃に溜まったガスを抜く処置を行います。が、今回はガスを抜いても胃の大きさが十分に小さくなりません008.gif

代わりに、胃の中に何か貯留している感触が・・・013.gif

そのため、胃を開いてみると、胃の中には大量の食べ物が・・・008.gif

そこで、胃につまった食べ物を取り出し、胃を何度も洗浄したり、捻転により他の臓器が破損していないか丁寧に確認027.gif

最後に、再び胃が捻転しないように胃を腹壁に縫い付けて、手術は無事に終了042.gif数日後には元気に退院していきました012.gif



今では、自分から診察台に乗ってくるくらい元気いっぱいに016.gif
胃捻転_b0059154_15243219.jpg





胃捻転は、治療が遅れると命に関わる病気のひとつです。

また、胃捻転になってしまうと繰り返す場合があるので、治っても注意が必要です034.gif

胃捻転は、完全には予防する方法はないと言われていますが、対策として、

①食後の激しい運動はさせない
 早食い・水の一気飲みなど食事や水の大量摂取のすぐあとの運動が主な原因の一つだと考えられています001.gif食後やたくさん水を飲んだ後は十分に休息をさせましょう014.gif
 

②一日のエサの量を数回にわける
 1日1回の食事で大量に食べさせるのではなく、複数回に分けて1回の食事の量を減らす事や水を一気に飲ませないことを心がけましょう072.gif

特に、エサを一気にガツガツ食べ、元気に動き回る子は、注意しておいてくださいね040.gif
by imabayashi-ah | 2011-01-18 18:38 | 手術